【第27話】「明日も続きが見たい」病気への不安で心まで疲れていた私を支えた韓国ドラマ5選

乳がん体験記

※この記事には広告・プロモーションが含まれます。

※この記事は、私自身が間質性肺炎で入退院を繰り返したときの体験をもとに書いています。韓国ドラマの視聴によって病気が改善するという意味ではありません。

体調がすぐれないときは無理をせず、視聴時間や音量に気をつけてお楽しみください。

※病院によってWi-Fiや電子機器の使用ルールが異なります。入院中に動画を視聴する場合は、事前に入院先へ確認してください。

※動画配信サービスの配信作品は変更されることがあります。視聴前に各サービスの公式サイトで最新の配信状況をご確認ください。

前回は、間質性肺炎と長く付き合う中で、私が日常生活で気をつけてきたことについて書きました。

感染症を避けること、睡眠を整えること、無理のない範囲で体を動かすこと、食事に気を配ること。病状を安定させるためには、どれも大切なことでした。

けれど、入退院を繰り返す私の心を支えてくれたのは、生活上の工夫だけではありませんでした。

何もしたくない日に、ほんの少しだけ病気のことを忘れさせてくれる時間。

私にとって、そのひとつが韓国ドラマでした。

間質性肺炎で入退院を繰り返し、心まで疲れていました

間質性肺炎を発症してから、私は長い時間をかけて治療を続けてきました。

体調が落ち着いたと思っても、再び咳や息苦しさが出て入院する。

ステロイド治療によって少しずつ症状が落ち着いても、薬を減らしていく途中で再燃することもありました。

入院が長くなるにつれて、体だけではなく、心まで疲れていきました。

テレビをつけるのもおっくうで、何かを読もうという気持ちにもなれません。

病室のベッドに横になり、ただ天井を見つめている日もありました。

昼間の病室で、ベッドに横になりながら天井を見つめる女性。壁のテレビは消えており、ベッド脇のテーブルには閉じた本が置かれている。

何かを楽しむ気力もわかず、ただ静かに時間だけが過ぎていくような日がありました。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「いつになったら退院できるのだろう」
「また悪くなったらどうしよう」

考えても答えが出ないことばかりが、何度も頭の中を巡りました。

前向きになろうとしても、どうしても気持ちが動かない日があります。

当時の私も、まさにそうでした。

友人が勧めてくれた韓国ドラマ

そんなとき、友人が韓国ドラマを勧めてくれました。

最初はあまり乗り気ではありませんでした。

物語を追うことさえ、当時の私には疲れるように感じたからです。

それでも、「少しだけ、見てみようかな」と思い、スマートフォンで動画配信サービスを見始めました。

病室のベッドで過ごす女性が、友人に勧められた韓国ドラマを見始める4コマ漫画。最初はぼんやり過ごしていたが、スマートフォンを手に取り、少しずつ物語に引き込まれていく様子が描かれている。

気持ちが止まっていた時間に、小さなきっかけがひとつ差し込んできました。

最初は、気を紛らわせることができればそれで十分だと思っていました。

ところが、何気なく見始めた物語に、私は少しずつ引き込まれていきました。

登場人物が悩み、泣き、笑いながら懸命に生きている。

その姿を見ているうちに、それまで動かなくなっていた私の心も、少しずつ動き始めました。

悲しい場面では一緒に泣き、楽しい場面では思わず笑っていました。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「こんなふうに笑うのは、久しぶりかもしれない」

と気づいたことを、今でも覚えています。

「明日も続きを見たい」と思えたこと

韓国ドラマを見るようになってから、病室で過ごす時間が少しだけ変わりました。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「明日は何が起こるのだろう」
「次の話も見てみたいな」

そんな小さな楽しみができたのです。

病気への不安がなくなったわけではありません。

前向きに頑張れるようになったわけでもありませんでした。

それでも、「明日も続きが見たい」と思えたことが、当時の私には大きな支えでした。

夜の病室でタブレットを見ながら、「明日も続きが見たいな」と思う50代女性のイラスト。

次の物語を楽しみにできることが、長い療養生活の中で小さな支えになっていました。

ドラマを見ている間だけは、検査や薬、病状のことから、少し気持ちを離すことができました。

医学的な意味でのリハビリではありませんが、私にとっては、固く閉じていた心をゆっくり動かしてくれるような時間でした。

その日の体調や気分で選ぶ。私の心に残った韓国ドラマ5選

今回ご紹介する5作品は、すべてを一度の入院中に見たわけではありません。

中には、退院後や療養生活の中で出会った作品もあります。

流行や新しさの順位ではなく、その日の体調や気持ちに合わせて「今の自分には、どのような物語が合いそうか」という目安にしていただけたらと思います。

韓国ドラマ5作品をその日の気分に合わせて選ぶための5つの気分を示した図解

元気の度合いも、その日に見たい物語も違うから。心の状態に合わせて選んだ5作品です。

作品名 作品の雰囲気 こんな日に
二十五、二十一 青春・友情・恋愛 泣いたり笑ったりして、心を動かしたい日
涙の女王 夫婦・家族・愛 大切な人を思いながら、じっくり見たい日
社内お見合い 明るいラブコメディ 難しいことを考えず、楽しく笑いたい日
ヴィンチェンツォ サスペンス・コメディ 病気のことを忘れて物語に集中したい日
梨泰院クラス 挫折・仲間・再出発 少しだけ前を向く力がほしい日

「二十五、二十一」|泣いたり笑ったりして、心を動かしたい日に

厳しい時代の中で夢を追う若者たちを描いた物語です。

思いどおりにならない現実の中で出会い、励まし合いながら、それぞれの道を歩いていきます。

フェンシングに打ち込む女子学生と、仕事帰りのスーツ姿の若い男性が夕暮れの練習場で向き合うイラスト。

夢を追う若者たちが、悩みや挫折を抱えながら支え合っていく青春物語をイメージしたAI生成イラストです。

私が心を動かされたのは、何もかもがうまくいく物語ではなかったからです。

頑張ってもどうにもならないことがあり、すれ違ってしまうこともある。

治療中の私も、「頑張れば必ずよくなる」とは思えない時期がありました。

だからこそ、現実の中でも気持ちを失わずに進もうとする登場人物たちの姿が心に残りました。

切なく、涙があふれる場面も多い作品です。

泣くことで、心の中にたまっている気持ちを少し外に出したい日に見てほしい物語です。

「涙の女王」|大切な人を思いながら、じっくり見たい日に

すれ違っていた夫婦が、思いがけない出来事をきっかけに、もう一度お互いの気持ちと向き合っていく物語です。

夜景の見える室内で、スーツ姿の男性と黒いドレスの女性が静かに見つめ合うイラスト。

すれ違っていた夫婦が、思いがけない出来事をきっかけに再び心を通わせていく物語をイメージしたAI生成イラストです。

この作品は入院中に見たものではありませんが、その後の療養生活の中で出会い、改めて家族や大切な人との時間について考えさせられました。

一緒にいることが当たり前になると、感謝や愛情を言葉にする機会が少なくなってしまいます。

けれど、すれ違いながらも相手を大切に思う夫婦の姿が、私の心に深く残りました。

※笑える場面や家族の温かさもありますが、病気に関する描写も出てきます。治療中で病気の場面を見るのがつらい方は、無理に見ないでください。今の自分が安心して見られる作品を選ぶことをいちばん大切にしてください。

「社内お見合い」|難しいことを考えず、楽しく笑いたい日に

友人の代わりに出席したお見合いの相手が、自分の勤める会社の社長だったことから始まるラブコメディです。

正体を隠そうとする主人公と、少し強引な社長とのやり取りが楽しく、テンポよく物語が進んでいきます。

明るいレストランで、驚いた表情の女性とスーツ姿の男性が向かい合って食事をするイラスト。

思いがけないお見合いから始まる、テンポのよい明るいラブコメディをイメージしたAI生成イラストです。

治療中は、深く考える作品や重たい内容を見ることがつらい日もありました。

そんな日は、先の展開を難しく考えず、素直に笑える作品に助けられます。

「今日は少し笑いたい」「暗い内容は見たくない」という日に選びやすい作品です。

つらいときに、無理に前向きになる必要はありません。

ただドラマを見て、少し笑えた。

それだけでも十分な日があります。

「ヴィンチェンツォ」|病気のことを忘れて、物語に集中したい日に

イタリアンマフィアの顧問弁護士だった主人公が韓国へ渡り、巨大企業の悪事に立ち向かっていく物語です。

復讐やサスペンスの要素がありますが、個性的な登場人物たちによるコミカルな場面も多く、次の展開が気になります。

古い商業ビルの前で、黒いスーツ姿の男性と個性豊かな仲間たちが並ぶイラスト。

巨大な悪に立ち向かう主人公と仲間たちの、サスペンスとコミカルさが交差する物語をイメージしたAI生成イラストです。

病室にいると、どうしても病気や検査結果のことばかり考えてしまいます。

私にとって展開の速い作品に夢中になる時間は、病気の不安から、ほんの少しだけ距離を置ける時間でもありました。

穏やかな作品を見たい日よりも、少し刺激のある物語に入り込み、不安を考えずに過ごしたい日に向いています。

「梨泰院クラス」|少しだけ前を向く力がほしい日に

理不尽な出来事によって大切なものを失った主人公が、自分の信念を曲げず、仲間たちと力を合わせながら人生を立て直していく物語です。

病気になると、それまで思い描いていた生活や仕事を諦めなければならないことがあります。

私自身も、治療前と同じようには暮らせない現実に何度も戸惑いました。

だからこそ、失ったものを抱えながらも、自分にできる方法で再び歩き出す主人公の姿に心を動かされました。

夕暮れの街で、小さな飲食店の前に立つ若い男性と、彼を見守る仲間たちを描いたイラスト。

理不尽な出来事を乗り越えながら、仲間とともに新しい一歩を踏み出していく物語をイメージしたAI生成イラストです。

「頑張らなければ」と自分を追い込むための作品ではありません。

今すぐ立ち上がれなくても、また歩き始められる日は来るかもしれない。

そんな気持ちを、少しだけ思い出させてくれた作品です。

何もできない日にも、小さな楽しみがあっていい

治療中は、「前向きに過ごさなければ」「体にいいことをしなければ」と思うことがあります。

けれど、いつも前向きでいることはできません。

何もしたくない日も、誰とも話したくない日もありました。

そんな日は、無理に気持ちを切り替えようとせず、ただドラマを見る。

登場人物と一緒に泣いたり、笑ったりする。

韓国ドラマは病気を治すものではありませんが、私にとっては、病気だけで一日が終わらないようにしてくれる存在でした。

治療中だからこそ、自分が少し安心できる楽しみを持っていてもいい。

それはドラマでなくても、音楽でも、本でもいいと思います。

病室で女性がベッドサイドの本、イヤホン、スマートフォン、温かい飲み物を見つめたあと、ブランケットに包まれてイヤホンで音楽を聴きながら静かに休んでいる縦2分割の漫画。

その日に少し心地よく過ごせるものを選ぶことが、療養中の心をゆるめる時間になっていました。

同じように治療や入院でつらい時間を過ごしている方にも、自分の心が少し休まるものが見つかりますように。

つらい時間の中に、ほんの少しでも病気から離れられる時間を持つことは、決して悪いことではありません。

【補足】入院中に動画を見る前に確認しておきたいこと

病院によってWi-Fiや電子機器の使用ルールが異なります。

視聴する前に、病棟の案内を確認したり、看護師さんに尋ねたりしておくと安心です。

また、体調が悪いときに長時間画面を見続けると負担になるため、無理のない範囲で楽しむことが大切です。

入院中に動画を見る前に確認したい3つのポイントをまとめた図解。病院のルール、Wi-Fi・通信環境、その日の体調について、女性のイラストとともに説明している。

動画を楽しむ前に、病院での過ごし方や通信環境、その日の体調を確認しておくと安心です。

Wi-Fiの確認と、あると便利なアイテム

入院先にWi-Fiがある場合は、利用できる場所や接続方法を確認します。

データ通信量が多くなるため、利用している動画配信サービスにダウンロード機能がある場合は、事前に自宅のWi-Fi環境で見たい作品をスマートフォンやタブレットにダウンロードしておくと安心です。

長時間の視聴で手が疲れないよう、端末を立てられるスタンドや、長めの充電ケーブルがあると便利です。

ご自身の負担にならないよう、必要なものだけをコンパクトにまとめておくと安心です。

イヤホンは高価さよりも「使いやすさ」で選ぶ

病室で動画を見るときは、同室の方への配慮としてイヤホンを用意しておくと安心です。

選ぶ際は高価なものよりも、「長時間つけても耳が痛くなりにくい」「ベッドの上で落としにくい」「操作が簡単」といった使いやすさを重視すると快適です。

コードが絡まないワイヤレスイヤホンは便利ですが、小さくて紛失しやすいのが心配な場合は、充電不要な有線イヤホンを予備として持っておくと安心です。

ご自身が一番ストレスなく使えるものを選んでみてください。

入院中の動画視聴に使える有線イヤホンとワイヤレスイヤホン

病室では、自分が使いやすく負担になりにくいイヤホンを選ぶと安心です。

入院中に使うイヤホンを選ぶ際は、操作のしやすさや耳への負担なども確認してみてください。


心の支えがあったから、現実のお金の不安にも向き合えた

こうして、動画配信サービスなどの小さな楽しみが、入退院を繰り返す私の心を支えてくれました。

心に少しの余白ができたからこそ、私はそれまで怖くて目を背けていた「現実的な問題」にも、ようやく向き合う気力が湧いてきたのです。

長い療養生活において、心や体の負担と同じくらい私を悩ませたのは、「お金への不安」でした。

診察や検査、手術、日々の薬代。

それだけでなく、通院の交通費やケア用品など、治療費以外の出費も少しずつ重なっていきました。

自宅のテーブルで、医療費・交通費・ケア用品に分けた領収書を、電卓やノートを使いながら整理する50代女性のイラスト。

治療が長く続く中で積み重なったさまざまな出費を、少しずつ整理して振り返るようになりました。

ひとつひとつは小さな金額に見えても、治療が長く続く中では、決して軽い負担ではありません。

次回・第28話では、私が乳がん治療で最初の1年間に実際に支払った費用の内訳と、治療費以外にかかった思いがけない出費についてお話しします。

治療費がどれくらいかかるのか不安な方へ、私が実際に感じた負担と、支えになった公的制度や備えを正直にまとめました。

同じように悩む方の参考になれば嬉しいです。

第28話はこちらから↓


この記事を書いた人

きゃんばぁば|乳がんサバイバー/家族の闘病サポーター

乳がんを経験し、経過観察を経てひとつの区切りを迎えました。

その後、義妹の膵がん、夫の食道がんを家族として支えてきた経験をもとに、患者と家族の視点で記事を書いています。

詳しいプロフィールはこちら

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