「治療が終わったら無治療期間に入るからね」
10年前トリプルネガティブ乳がんの標準治療を終えた私は主治医からそう告げられました。
治療後の不安や焦り…
そして10年という長い経過観察期間。様々な感情が入り混じった生活を送ってきました。
この記事では、私の体験その時の気持ちを綴っています。
乳がん治療中の方、そして闘病されている方にとって少しでも参考になれば嬉しいです。
トリプルネガティブ乳がんについて、主治医からの説明
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は乳がん全体の20%を占めるタイプで、3年以内の再発率が高く、再発後の生存率も他の乳がんと比べて短いことを主治医から告げられていました。
治療薬は抗がん剤に限られ、他の乳がんよりも悪性度やグレードが高い傾向があります。私もグレード3と診断されていましたが、主治医から「グレードが高いがんの方が、抗がん剤が効きやすい場合もある」と励まされました。
また、術前抗がん剤でがんが完全に消滅すれば、再発率が大幅に低下すると説明を受けました。
乳がんは全身病
乳がんは乳腺だけの病気ではなく、全身に影響を及ぼす可能性があることを知りました。治療も局所的な治療から全身治療へと変わってきており、患者一人ひとりのがん細胞を詳しく調べて、最適な治療を方法を選択する「オーダーメイド医療」が進んでいることも教わりました。
私の場合は、トリプルネガティブ乳がんステージ2Aと診断され「パクリタキセル」と「FEC」という抗がん剤を組み合わせた術前治療を受けました。
これは全身に散らばっているかもしれないがん細胞を薬で攻撃する治療法でした。
この治療のおかげで私のがんは完全に消えました。手術や放射線治療後を終えた後は、無治療期間へ入り、治療期間は全体で約1年でした。
抗がん剤で完治する確率は、38%と説明され、その確率にかけた365日が今となってはとても大切に感じられます。
トリプルネガティブ乳がん特有の不安:無治療期間へ恐怖
治療終了後、主治医に「無治療期間が怖いので、定期検査をしていただませんか?」と相談しましたが、「検査を頻繁に行なっても生存率に変化がないことが証明されています」との回答でした。
それを聞き、再発への不安を抱え続けるのではなく、今を楽しんで生きようと気持ちを切り替えました。
乳房のセルフチェックだけは欠かさず行い、異常を感じたらすぐに受診していました。でもトリプルネガティブ乳がんであるため再発への恐怖が常に付きまとっていました。
再発検査について
10年前、主治医から「PET検査やCT検査ではがん細胞が5ミリ以下だと検出が難しい」と説明を受けました。
再発が疑われる場合は以下のような検査が行われますが、再発リスクが少ない場合は頻繁に画像検査は行われません。
- 骨シンチグラフィ
- マンモグラフィ、超音波検査
- MRI、CT
- PET
- 血液検査
3年間再発予防のために生活習慣を見直した
再発予防を目指して、3年間を目標に生活習慣の見直しました。具体的には次のことを実践しました。
- 飲酒をやめる:飲酒の量が多いとがんのリスクが高まるため禁酒をしました。
- 和食中心のバランスの良い食事:食物繊維、発酵食品 オメガ3脂肪酸などを無理なく摂取できるようにしました。
- 適度な運動を継続:筋力をつけ、ストレス発散や肥満防止に努め、がん予防につなげました。
- オーラルケアの徹底:口腔ケアはがん予防の一環として推奨されているので、徹底しました。
- 睡眠の質を高める:免疫システムを正常に保ち、ホルモンバランスを調整し、細胞の修復をうながすため、睡眠の質を改善しました。
- 毎日笑顔で過ごす:ナチュラルキラー細胞などの免疫細胞の活動を活性化させるため、笑顔を心がけました。
- ストレスを溜めない:免疫システムの機能を低下を防ぐために、ストレス管理をしました。
これらを実践していく中で、体の内側から健康になっていくことを実感しました。
定期的な検診とセルフチェック
無治療期間中、私は年に1度の定期検査を受けていました。検診の回数を増やしたいとお願いしましたが、主治医からは、「検査の回数を増やしても再発予防にはならない。」と説明され「何か異変があればすぐに診察します。」と言われました。
毎年の検査内容は、血液検査、マンモグラフィ、超音波検査、触診とそして主治医との会話です。経過観察5年目以降は、検査は年に一度なので、セルフチェックを毎月欠かさず続けています。
主治医によれば、CTや骨シンチ、PETなどの検査は症状がない時に行っても、乳がんの生存期間延長に役立たないそうです。
再発への不安を感じながらも、日々の生活を充実させることが再発予防につながるのだと感じました。
再発が怖かった!きゃんばぁば