夫の食道がんで知った家族の苦しみ|「今度は私があなたを支えたい」【夫の食道がん闘病記・第6話】

夫の食道がん闘病記

第1章|食道がんが見つかるまで

※この記事は、夫が食道がんと診断された当時の経験と、私自身が乳がん治療を受けた頃を振り返って書いています。
※治療の経過や感じ方は患者さん、ご家族によって異なります。

夫の食道がんが分かり、治療について話し合っていたとき。

私が乳がんの治療を受けていた2013年のことを思い出しました。

今回、「支える立場」になって初めて気づいたこと。
そして、あのときの夫への思いを書いてみようと思います。

「私は、世界で一番不幸だと思っていた」

乳がんの告知を受けた当時の私は、「自分ががんになるなんて。どうして私なんだろう」とそんなふうに考えて、塞ぎ込んでいました。

すぐに始まる治療への怖さで、頭がいっぱいで、周りを見る余裕なんてありませんでした。

その頃、夫は仕事が終わるとそのまま病院へお見舞いに来て、家のことも黙ってこなしてくれていました。

仕事帰りに入院中の妻を見舞う夫と、病室で過ごす妻のイラスト

あの頃は、それが夫の日常になっていたことに気づいていませんでした。

でも当時の私は、自分のことで精いっぱい。

夫がどんな思いで私を支えてくれていたのか、そこまでは、見えていなかったのだと思います。

「支えることが、こんなにも苦しいなんて……」

今度は夫が食道がんになりました。

病気になったのは夫なのに、まるで自分ががんになったような感覚になりました。

これからどうなるんだろう……。

支える立場になって、私は初めて知りました。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「支えることが、こんなにも苦しいなんて……」と。

治療を受けるのは夫。

どんなに願っても、その痛みや思いを代わってあげることはできない。

ただ、そばで見守ることしかできない。

そんな立場になって、2013年のことを思い出しました。

あのとき私の側で夫は、どれほどつらかっただろう。

乳がん治療中に夫に支えられた過去と、食道がんになった夫を支える現在の立場の変化を描いた4コマ漫画

立場が入れ替わって初めて、あの頃の夫の気持ちに近づけた気がしました。

仕事をしながら病院へ通い、家のことも全部してくれていた夫。

夫が食道がんになって初めて、あのとき夫がしてくれていたことの大きさに気づきました。

あなたが「普通の生活」を守ってくれてたんだね

私の側で夫は、いつもの日常が続くように支えてくれていました。

あなたが、「普通の生活」を守ってくれてたんだね。

妻の入院中、自宅で洗濯物や家事を静かにこなす夫のイラスト

私が治療だけを見ていた頃、夫は暮らしの続きを守ってくれていました。

本当にありがとう。

今度は、私の番です。

今度は私があなたを支えたい。

そう思った私は、治療が始まる前に、家族としてできることを一つずつ調べ始めました。

ここから、私たちの闘病は次の段階へ進んでいきます。

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この記事を書いた人 きゃんばぁば|がん その先へ
自身の乳がん治療を経験し、その後、義理の妹の膵がん、夫の食道がんを家族として支えてきました。
義理の妹とは長く親しくしていて、私にとっては妹のような存在でした。
このブログでは、患者として、家族として経験したことを、自分の言葉で記録しています。その後の暮らしや、これからの生き方についても書いています。
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