この時期を書こうと思った理由

もうすぐ「乳がん完治」から一年が経とうとしています。
この一年を振り返る中で「あの時、自分と同じ経験をしている人の声に、どれほど救われたか」を思い出しました。
だから今度は、私がその声になりたいと思うようになったのです。
この記事を書こうと決めたのは「FEC療法の副作用の辛さに」ついて、正直に書かれている情報が少いと感じたからです。
私は「これから何が起きるのか」をほとんど知らないまま治療に入り、想像以上の副作用に戸惑い、孤独を感じました。
だからこの記事が、同じように不安を抱えらながら、治療に向き合う誰かの勇気のきっかけになったらと思ったのです。
トリプルネガティブ乳がん:初期治療の重要性

私がトリプルネガティブ乳がんと診断されたのは、今から11年前のlことです。
このタイプのがんは、ホルモン療法や分子標的治療が使えないため(10年前の治療)抗がん剤が唯一の武器になります。
再発率が高く、当時の主治医からも「抗がん剤が効かなければ、最初のリスクは高くなります」と説明を受けていました。
その時私は「初期治療でがんを完全に叩くことが、再発を防ぐために重要だ!」と強く感じました。
治療が始まってからも「ただ治療を受ける」のではなく「どうすれば、抗がん剤の効果を最大限に引き出せるか」を常に考えていました。
自分自身が、治療の主役になることが大切だと思ったのです。
そして、できる限りの情報を集めました。主治医への質問、本やネット情報、同じ病気をした方からの体験談も参考にしながら「何が自分に合うのか?」検討していきました。

できる限りFEC療法の情報を集めました
こうして、完治から一年という節目を迎えられたのは、あの時自分なりに治療に向き合ったからだと思います。
抗がん剤の効果を高めるために実践したこと5つ
抗がん剤治療を受けている間、私は「少しでも薬の効果を高めたい」「治療の負担を軽くしたい」と思い、自分にできることを日々取り入れてみました。
もちろん副作用が強く出る日は何もできませんでした。
実際の取り組んだ5つのことを紹介していきます。
❶笑顔を心がける

主治医から「笑顔でいることが大切」とアドバイスをもらって、つらい日でも意識して笑顔でいるよう心がけました。
本当に気持ちがついていかないときもありましたが、「作り笑いでも効果がある」と言われたことに救われ「今日も笑ってみよう」と鏡の前で笑顔をつくることを日課にしました。
笑うことで不安が少し軽くなり、前向きな気持ちが生まれてきた気がします。
❷体温を上げる(温活の実践)

がん治療中は、体を冷やさないことがとても大切だと感じました。私は次のような温活を実践していました。
- 就寝1時間半前に全身浴をして、体の芯から温める
- 生姜湯を飲んで内側からもポカポカに
- 軽い筋トレやストレッチで筋肉を維持し、基礎体温を上げる工夫
血行がよくなることで、抗がん剤の巡りもよくなると考え、体温維持を意識して生活していました。
❸睡眠の質を上げる工夫

免疫細胞の修復には、質の高い睡眠が欠かせません。私は以下のような工夫を取り入れていました。
- 朝起きたらすぐにカーテンを開けて、太陽の光を浴び体内時計をリセット
- 夜はスマートフォンやPCを早めに手放し、目と脳を休める
- 照明をやや暗めにして、ゆったりとリラックスした状態で眠れる環境を整える

部屋の明かりは暗めに設定して良い睡眠が取れるように工夫をしました
これに加えて、お白湯を飲んだり、深呼吸を取り入れた瞑想を行うこともありました。
こうして睡眠の質を高めたことで、翌日の体調に変化を感じていました。
❹ストレッチを行う

血行を促すことも抗がん剤の効果を高めることの一つの鍵だと思い、私は毎晩の入浴中にストレッチを取り入れていました。(現在も継続中)
湯船に浸かりながら、足首、手首、首を10回ずつ回し全身の循環を促進。
お湯であったまった状態で行うことで、筋肉もほぐれやすく、リラックス効果も感じられました。
「抗がん剤が体の隅々までしっかり届きましように」と祈るような気持ちで行っていました。
❺食事の改善

毎朝、人参、小松菜、りんごにはちみつを使った自家製スムージーを飲み、ビタミンや酵素をしっかり摂取するようにしていました。
また、和食中心を心がけ砂糖や小麦製品、食品添加物などはなるべく控えるよう意識しました。
玄米や納豆、味噌汁、旬の野菜を取り入れたシンプルな食事が中心です。
こうした生活が直接「抗がん剤の効果を高めた」とは断言できませんが、結果的にFEC療法後、私のがんは完全に消滅しました。
FEC療法の副作用と心の葛藤
パクリタキセルの治療を終えた後、私はFEC療法に入りました。
この治療はフルオロウラシル、エピルビシン、シクロホスファミドという3種の抗がん剤を組み合われて行うもので、トリプルネガティブ乳がんの治療において、とても重要な位置付けになると説明されていました。

でも、このFEC療法こそが、私にとって最も過酷な治療になりました。
FEC療法の詳しい説明はこちらの記事にまとめています。↓
体に現れたつらい副作用
最初の1回目から、体が悲鳴をあげているのがわかりました。
治療の翌日には、強い筋肉痛のような痛みや吐き気に襲われ、水を飲むことさえ辛く、ベッドから起き上がるのがやっとの状態でした。
中でも、味覚障害は辛い副作用のひとつでした。何を食べても「美味しい」を感じることができず食事を全く楽しめることができなくなりました。
「栄養を取らなければ」と頭ではわかっていても、食べること自体が苦痛になってしまったのです。
副作用が強くでため、全ての投与を入院で受けました。

FECの投与は全て入院で行いました

当時は「普通の生活」がどんどん遠ざかっていくような気がして本当に辛かったです。
それでも前に進めた理由
私がそんな治療を続けることができたのは「自分で選んだ治療」だったという納得感と、医療チームの温かい支えがあったからです。
「もう治療をやめたい」と弱音を吐いたとき、担当医がエコー検査をしてくれました。
その検査で、がん消えていることが確認できたのです。

その瞬間「これなら最後まで治療を頑張れる」という気持ちに変わりました。
FEC療法は私にとって本当に辛い経験でした。
それでも、自分なりに治療に向き合い、耐え抜いた日々が今の完治というゴールへ辿り着くことができたのだと確信しています。
さいごに:乳がんについて学んでよかっこと

がんの治療を始める前に、トリプルネガティブ乳がんについてしっかり学び、主治医や医療チームを信頼して術前抗がん剤治療を選択したこと。
成功率38%という厳しい数字ににかけた、私にとって最善の判断だったと今では感じています。
治療中も、自分自身が治療に主体的に関わり、抗がん剤の効果を最大限に引き出すために情報を集め、実践を重ねてきました。
特に、トリプルネガティブ乳がんは初期治療がとても重要だと痛感しました。だから初期治療に全力を注ぐことが、本当に大切です。
そして、医療チームとの信頼と協力が、治療への成功へとつながるのだと思いました。
注)この記事は個人的な経験に基づいて記述されています。治療法に関しては、必ず主治医に相談くださいね。
次の記事へ続く…。
第47話はこちらから↓

術前抗がん剤を選んでよかった!きゃんばぁば