【第43話】ステロイド治療で主治医に勧められたビタミンDを10年続けて感じたこと|骨を守るために始めた習慣

乳がん体験記
※この記事は、私自身の治療経験をもとに書いています。
※ステロイド治療による副作用への対策や、ビタミンD製剤が必要かどうかは、一人ひとりの病気や治療内容、骨の状態などによって異なります。
※この記事で紹介する内容は、ビタミンDによるがんの予防や再発予防の効果を示すものではありません。服用については、主治医や医療者にご相談ください。

乳がんの放射線治療を終えたあと、私は放射線肺臓炎を発症しました。

その後も肺の病気と向き合うことになり、現在までステロイドによる治療を続けています。

そんな私に、主治医が勧めてくれたもののひとつがビタミンDでした。

目的は、長くステロイドを使うことで心配される骨への影響に備えるためです。

服用を始めてから、今年で10年になります。

けれど当時の私は、ビタミンDについて詳しく知っていたわけではありませんでした。

「ステロイドを飲んでいるから、骨を守るために必要なんだな」

そのくらいの気持ちで飲み始めたのを覚えています。

まさか10年後、自分がビタミンDについて改めて調べることになるとは思ってもいませんでした。

骨を守るために始めたビタミンD

ステロイド治療を始めた頃、主治医からは骨粗しょう症にも気をつける必要があると説明を受けました。

そこで、ステロイドの治療とともにビタミンDを服用するようになりました。

ビタミンDには、カルシウムの吸収を助け、骨の健康を保つための大切な働きがあります。

けれど、その頃の私にとっては「骨のための薬」という認識しかありませんでした。

最初は「これを飲んで、本当に違いがあるのかな」と半信半疑でした。

それでも、主治医から勧められたものだからと毎日続けました。

特別なことをしている感覚はありません。

ステロイドを飲むのと同じように、ビタミンDを服用することも、いつの間にか毎日の習慣になっていきました。

10年続けるうちに感じるようになったこと

ステロイド治療を続けているため、私は骨密度の検査も受けてきました。

その中で、骨密度について良い状態が保たれていると聞くことがありました。

長くステロイドを飲んでいるので、骨のことはずっと気になっていました。

だからこそ、検査結果を聞くたびにほっとしたのを覚えています。

もちろん、今の骨密度がビタミンDだけによるものだとは思っていません。

食事や運動、体質など、いろいろなことが関係しているはずです。

私は以前からウォーキングを続けていて、ビタミンDが日光を浴びることで皮膚でも作られると知ってからは、歩くときに少し足首を出していた時期もありました。

ただ、これはあくまで当時の私自身の習慣です。ビタミンDのために積極的に紫外線を浴びることをおすすめするものではありません。

これも、私なりに続けてきた小さな習慣のひとつです。

薬を飲むことだけでなく、歩くことや食事など、できることを少しずつ続けてきました。

振り返ると、その積み重ねが今の自分につながっているように思います。

また、ビタミンDを飲み始めてから、以前より風邪をひくことが少なくなったように感じる時期もありました。

ただ、これについてもビタミンDのおかげだったのかは分かりません。

あくまで10年間服用してきた私自身が感じていることとして、ここには残しておきたいと思います。

後から知った「ビタミンDとがん」の研究

ビタミンDについて調べるうちに、骨だけではなく、免疫機能など体のさまざまな働きに関わっていること、そして、がんとの関係についても研究が続けられていることを知りました。

それを知ったとき、

「私は10年も飲み続けていたんだ」

と、少し驚きました。

私はトリプルネガティブ乳がんだったため、治療後、特に最初の数年間は再発への不安を強く感じていました。

その時期にも、私は主治医から処方されたビタミンDを毎日飲んでいました。

だから最初は、

「もしかすると、ビタミンDも私を守ってくれていたのかな」

と思ったこともあります。

でも、調べていくと、そこは簡単に結びつけてはいけないことも分かりました。

ビタミンDとがんとの関連を示す研究がある一方で、ビタミンDを摂取することで、がんそのものを予防できるとまでは確認されていません。

まして、私が乳がんを再発しなかった理由を、ビタミンDだけに求めることはできません。

「ビタミンDを飲んでいたから再発しなかった」とは言えません。

でも、骨を守るために主治医と相談しながら10年間続けてきたことは、私にとって大切な習慣のひとつになりました。

乳がんの経過観察を終えて思うこと

長い時間を振り返ると、ステロイドも、ビタミンDも、定期的な検査も、ウォーキングも、そのときの自分にできることをひとつずつ重ねてきたのだと思います。

10年前の私は、そのひとつひとつが将来の自分にどうつながるのかなど、考えていませんでした。

ただ、そのとき必要だと思うことを、毎日の生活の中に取り入れてきました。

すぐに結果が見えなくても、主治医と相談しながら、自分の体のためにできることを積み重ねていく。

10年間のビタミンDの服用を振り返って、私が一番感じているのは「特別な効果」よりも、そのことなのかもしれません。

ビタミンDの服用やウォーキングなど、私は少しずつ、自分の体を守るためにできることを大切にするようになりました。

そして、もうひとつ大切にしてきたのが、自分の心との向き合い方です。

乳がん治療中は、不安になったり、気持ちが落ち込んだり、何度も心が折れそうになりました。

そんな私が、日々の生活の中で取り入れてきた「心を整える習慣」について、次の記事で振り返ります。

ビタミンDについて気になったこと【Q&A】

Q. ステロイド治療をしている人は、みんなビタミンDが必要ですか?

A. すべての人が同じようにビタミンDを服用するわけではありません。

長期間のステロイド治療では骨が弱くなることがあるため、年齢やステロイドの量・使用期間、骨密度、骨折のリスクなどをみながら、必要な対策が検討されます。
私の場合は、ステロイド治療を続ける中で、骨を守るために主治医から勧められてビタミンDの服用を始めました。

治療内容は一人ひとり異なるため、気になる場合は主治医に相談してみてください。


Q. ビタミンDを飲むと、乳がんの再発予防になりますか?

A. 現時点では、ビタミンDを服用することで乳がんの再発を予防できるとは確認されていません。

ビタミンDとがんとの関係についてはさまざまな研究が行われていますが、大規模な臨床試験でも、ビタミンDのサプリメントによって、がんの発症そのものが減るという結果は確認されていません。
私も以前は「長く飲んできたことが何か良い影響につながったのかな」と考えたことがありました。

でも今は、乳がんを再発しなかったこととビタミンDを直接結びつけるのではなく、主治医のもとで骨を守るために続けてきた治療のひとつとして考えています。


Q. 市販のビタミンDサプリメントを飲んでもいいですか?

A. 私は主治医から勧められたビタミンDを服用しているため、市販のサプリメントを自己判断で追加することはしていません。

ビタミンDは「たくさん摂れば摂るほどよい」というものではなく、摂りすぎると体に悪影響が出ることもあります。
また、医師から処方されるビタミンD製剤と、市販のサプリメントは同じように考えられるものではありません。

すでに薬を服用している方や、サプリメントを取り入れたい方は、主治医や薬剤師に確認してから使うことが大切だと思います。

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この記事を書いた人
きゃんばぁば|乳がんサバイバー/家族の闘病サポーター

乳がんを経験。義妹の膵がん、夫の食道がんを家族として支えた実体験をもとに、「患者と家族、両方の視点」で発信しています。

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