FEC療法が始まる前の不安と10年後の現在

告知当時は不安でいっぱいでしたが、目の前の治療を一つずつ乗り越えてきました。
2013年、私はトリプルネガティブ乳がんと告知されました。
術前抗がん剤、手術、放射線治療を経て、2024年、10年の経過観察を終え、治療の大きな一区切りを迎えました。
当時は不安や戸惑いの連続でしたが、その都度、目の前の治療と向き合いながら歩いてきました。
その治療の中で、私が受けた抗がん剤のひとつが「FEC療法」です。
当時の私は、名前を聞いてもどんな薬でどんな副作用が出るのかほとんど分かっていませんでした。
それでも「今の私に必要な治療なんだ」ということだけは理解しつつも、初めての薬を体に入れる怖さは消えませんでした。
FEC療法とは?私が受けた術前化学療法の目的と3種類の薬

FEC療法について、医師から説明を受けたときの不安は今も覚えています。

当時の私は、FEC療法という名前を聞いても、どんな治療なのかほとんど分かっていませんでした。
使われる3つの抗がん剤(赤い薬・エピルビシンなど)
FEC療法で使われる薬は、主に次の3つです。
| 薬の頭文字 | 薬の名前 |
| F | フルオロウラシル |
| E | エピルビシン |
| C | シクロホスファミド |
この中でも、エピルビシンは赤みのある薬です。
当時の私には「赤い薬」として、今も強く記憶に残っています。

この赤い薬を見たときの緊張感は、今でも忘れられません。
手術前に行う「術前化学療法」としての目的
私が受けたFEC療法は、手術前に行う「術前化学療法」としての治療でした。
術前化学療法の目的には、以下のようなものがあります。
- 腫瘍を小さくして、手術につなげやすくする
- 目に見えない小さながん細胞に働きかける
- 治療への反応を確認しながら、今後の方針を考える材料にする
同じ治療を受けても、腫瘍の反応や副作用の出方は人によって異なります。
治療効果の判断は、画像検査や病理検査などをもとに、主治医が総合的に判断します。
私が受けたFEC療法の流れ(全4回・すべて入院)
私のFEC療法は、3週間ごとに1回の投与を、合計4回行う予定でした。
1回目の投与|「赤い薬」が入った瞬間の異変

最初の投与では、体の奥から違和感が広がっていくような感覚がありました。
最初の投与は、副作用の出方を確認するため入院で受けることになりました。
当日は水分補給と吐き気止めの点滴から始まり、そのあと赤みのある薬が少しずつ体の中へ入っていきます。
しばらくすると、体の奥から違和感が広がっていきました。
「なんか、いつもと違う」と思った直後、急に気分が悪くなったのです。
2回目以降|副作用の強さから入院に切り替え、全4回を完走
本来、2回目以降は外来で投与する予定でした。
けれど、1回目の副作用が強く出たため、主治医と相談し、残りの3回も入院で受けることになりました。
入院期間は毎回4〜5日ほど。
前回のつらさを思い出すと怖さはありましたが、残りの治療も入院で続け、先生や看護師さんに支えられながら全4回の治療を終えることができました。
私に出たFEC療法の強い副作用と、次の投与に向けた過ごし方
私の場合、特につらかったのは投与後の数日間です。
入院中も点滴を受けながら、体が落ち着くのを待つような日々でした。
強く出た副作用は、主に次のようなものです。
| 副作用 | 私の場合の症状 |
| 強い倦怠感 | 体が重く、起き上がるのもつらい状態 |
| 筋肉痛のような痛み | 全身が痛く、動くことが負担に感じる |
| 吐き気 | においにも敏感になり、食事が難しい |
| 食欲低下 | 何を食べてもおいしく感じにくい |
| 頭痛 | 頭痛が続き、処方薬で対応 |

副作用が強い時期は、横になって過ごすだけで精いっぱいの日もありました。
この時期が、治療中でいちばん体重が落ちていた時期だったと思います。
家族の協力がなければ、日常生活を送ることも難しい状態でした。
投与後しばらくは、ほとんど動けない日が続きました。
それでも、次の投与が近づく1週間ほど前になると、少しずつ体調が戻ってくる感覚がありました。
治療を予定通りに受けるためには、体調だけでなく血液検査の結果も大切になります。
そのため、少し回復してきた時期には「次の治療を受けられる体でいなければ」という思いで、
食べられるものを無理のない範囲で口にするよう意識していました。
「もう無理かもしれない」を支えてくれたエコー検査での変化
私の場合、2回目も副作用は強く出ました。
体は重く、吐き気も強く、起き上がることもできず、横になっているだけで精いっぱいでした。
「もうFECを続けることは、無理かもしれません」思わず、先生にそう伝えてしまったほどです。
そのとき対応してくださったのは、主治医ではなく、入院中に担当してくださっていた女性の先生でした。
先生は落ち着いた様子で、「では、一度エコー検査をしてみましょう」と提案してくれました。
正直なところ、「今の状態で検査をして何が変わるんだろう」と思っていました。
けれど、この検査が、その後の私にとって大きな支えになります。
がんが見えにくくなったことで生まれた「治療への希望」
診察室でエコー検査が始まり、先生がモニターを慎重に確認していきます。

「この治療にも意味があるのかもしれない」と思えた、忘れられないエコー検査でした。
そして、「がんが見えにくくなっています。消えている可能性がありますよ」と言ってくれました。
もちろん、その時点で最終的な結果が決まったわけではありません。
それでも「この苦しい治療にも、意味があるのかもしれない」と思えたことが、私にとって大きな希望になりました。
エコー検査が、副作用で折れそうになっていた気持ちをそっと支えてくれたのだと思います。
入院治療の費用と、知っておきたい制度・相談窓口
私の場合、副作用が強く出たためすべて入院での治療となりました。

入院治療では費用の不安もありましたが、病院の相談窓口に頼る方法もあります。
そのため、外来で受ける場合とは費用のかかり方が違っていたと思います。
治療費は、薬の量や検査内容、入院日数、高額療養費制度の利用などによって負担が変わってきます。
私自身は、加入していた民間保険にも助けられました。
費用について不安がある場合は、病院の相談窓口や医療ソーシャルワーカーさんに相談してみるのもひとつの方法です。
FEC療法を完走して思うこと|つらいときは必ず主治医に相談を
副作用が強く、すべて入院での投与となりましたが、先生や看護師さん、家族に支えられながら最後まで受けることができました。
途中でエコー検査による変化を確認できたことが、残りの治療に向き合う力になったのだと思います。
ただし、抗がん剤治療は「副作用が強いから効いている」というわけではありません。
副作用の出方も治療の反応も、人によって違います。
不安なことやつらい症状があるときは、自分だけで判断せず、必ず主治医や看護師さんに相談してほしいと思います。
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