乳がん完治までの10年間で、私が実際に支払った自己負担額は、100万円以上でした。
ただ、選ぶ治療内容や通院期間によっては、150万円を超えるケースもあります。
一方で、受け取った給付金の総額は245万円でした。
「もし、あのとき備えがなかったら——」

病気そのものだけでなく、「お金の不安」もまた、心を大きく揺らしました。
そう思うと、10年経った今でも背筋が凍る思いがします。
2013年から10年。経過観察を終え、ようやく「完治」という言葉を手にすることができました。抗がん剤、手術、放射線治療。必死に前だけを見て歩んできた日々を振り返り、今、強く思うことがあります。
それは、病気と同じくらい私を苦しめたのは「いつまで続くかわからない経済的な不安」だったということ。
今日は、特定の何かを勧めるためではなく、大切な自分や家族を守りたいと願うあなたへ。私の10年間の実体験を、包み隠さず綴ります。
医療費だけではない、生活の中で静かに積み重なる出費

がん治療で重くのしかかるのは、病院の支払いだけではありませんでした。
がんの治療が始まると、想像以上にお金が消えていく現実に直面しました。病院の窓口で支払う治療費だけではありません。
頻繁な通院にかかる交通費、体調の変化に合わせた生活環境の見直し。そして、私のように仕事を辞めざるを得なくなったことによる収入減への恐怖……。
出費は、思わぬところから重くのしかかり、やがて家計や心を圧迫していきます。

「もしあのとき、私に備えがなかったら?」そう考えると、今でも身の毛もよだつ瞬間がいくつもありました。
私がこの10年で、特に「経済的な不安」を肌で感じた5つの場面を振り返ります。
- 初期検査費用(告知を受けるまでの、診断前の出費)
- 入院や手術にかかった実費(納得できる環境を選ぶために)
- 抗がん剤・放射線治療中の生活用品(自分らしく過ごすための必需品)
- 通院・検査費用と交通費(長期間にわたる累計の重み)
- 治療後の経過観察期間(10年という長い道のりを支え続ける費用)
❶初期検査費用(告知を受ける前の「診断前」の出費)
乳がんの治療は、告知を受けてからが「スタート」ではありません。実はその前段階で、検査が何度も、何度も続きました。
マンモグラフィー、エコー、細胞診、MRI、血液検査……。

治療が始まる前から、検査費用は静かに積み重なっていきました。
不安な気持ちで病院を行き来する数週間。
治療はまだ始まっていないのに、検査段階ですでに数万円が手元から消えていきました。

私の保険は「がん確定」で一時金が出るタイプ。つまり、診断がつくまでの費用はすべて手元の現金でまかなう必要がありました。
| 検査内容 | 目安金額 |
| マンモグラフィー・超音波 | 約8,000〜10,000円 |
| 細胞診(生検) | 約10,000円 |
| MRI・CT | 約10,000〜20,000円 |
| 血液検査・再診料など | 約10,000円前後 |
| 合計 | 約4万〜6万円 |

診断がつく前から、検査費用は少しずつ積み重なっていきました。
「もしかしたら、がんかもしれない……」そんな一番心細い時期に、お財布からお金が次々と出ていくのは、想像以上のストレスでした。
がん保険は、病名もはっきりしないあの「診断がつくまでの不安な時期」を支えるための、最初のお守りになってくれました。
❷入院や手術にかかった実費(自分らしい環境選び)

少しでも心穏やかに過ごすために、私は治療環境にもお金を使いました。
乳がんと確定してから私を待っていたのは、手術や抗がん剤のための度重なる入院でした。
ここで特に大きかったのは、窓口で支払う治療費以外にかかる「見えない費用」です。
私は少しでも心穏やかに過ごしたかったので、あえて準個室を選びました。
そのための「差額ベッド代」や、入院生活を支える細かな準備。
納得のいく環境を整えるためにも、まとまったお金が必要だったのです。
| 項目 | 内容 | 自己負担額 |
| 手術費(温存術) | 全身麻酔・術前検査含 | 約150,000円 |
| FEC治療(4回) | 抗がん剤・入院治療 | 約200,000円 |
| パクリタキセル等 | 抗がん剤点滴・1日入院 | 約30,000円 |
| センチネルリンパ生検 | 転移確認検査・1日入院 | 約70,000円 |
| 差額ベッド代 | 準個室:27日間分 | 約135,000円 |
| 入院グッズ | パジャマ・洗面用具等 | 約30,000円 |
| 合計 | 約615,000円 |
(※高額療養費制度利用後の自己負担および適用外費用を含みます)
❸副作用と闘うための生活用品(自分らしく過ごすための必需品)

副作用と向き合う毎日に、自分らしさを守るための必需品が増えていきました。
抗がん剤や放射線治療が始まると、副作用に備えるもの、デリケートになった肌を守るものなど、心と体のための必需品が増えていきます。
| 医療用ウィッグ | 約150,000円 |
| 肌ケア・口腔ケア・ケア帽子等 | 約30,000〜50,000円 |
| 合計 | 約18万〜20万円 |
驚いたのは、これらがすべて「全額自己負担」だということです。
特にウィッグは、毎日使うものだからこそ納得のいく品質を選びたい。
もし給付金がなければ、鏡を見るたびに、もっと悲しい気持ちになっていたかもしれません。
お金のゆとりは、私自身の「自分らしさ」を守るためにも必要だったのだと痛感しています。
❹通院・検査費用と交通費(長期間にわたる累計の重み)

節約したくてもできない交通費は、命を守るための必要な出費でした。
通院治療や定期検査は、数年にわたって続きます。
ここで意外な盲点となるのが、積み重なる交通費です。
体調が優れない日のタクシー代などは、節約したくてもできない「命を守るための経費」でした。
| 検査・診察・処方料 | 約10,000〜20,000円 |
| 通院交通費(タクシー利用含む) | 約5,000〜10,000円 |
| 1ヶ月の目安 | 約15,000〜30,000円 |
❺治療後の経過観察期間(完治までの長い道のり)

「完治」と言われるまでの時間は、想像以上に長く静かな道のりでした。
治療がひと段落しても、完治と言われるまでの10年は通院が続きます。
「もう大丈夫」と思えるその日まで、数ヶ月に一度、静かに、しかし確実にお金は出ていきました。
| マンモ・エコー・血液検査・診察・交通費 | 約10,000円 |
6年間で手にした「245万円」という盾

給付金は単なるお金ではなく、治療を続けるための「心の盾」でした。
乳がん告知から完治までの10年間。
私が実際に支払った自己負担額の総計は、100万円以上にのぼりました。
ただ、治療内容や通院期間によっては、150万円を超えるケースもあります。
もし、この支えがなかったとしたら。
私は納得のいく治療を選択できていたでしょうか。
通帳の残高を見て、精神的なストレスで押し潰されていたかもしれません。

私が加入していた保険からは、一時金や給付金に加え、毎年20万円が支払われる「長期在宅療養給付金」など、計245万円が支払われました。
この245万円は、単なる「お金」ではありませんでした。
「乳がんに立ち向かい、治療だけに集中していいんだ」と思わせてくれる、心強い盾だったのです。
まとめ:今の保険で、本当に大丈夫ですか?

備えがあることは、未来の自分に安心を渡しておくことなのだと思います。
私も以前は「まだ健康だから大丈夫」「保険なんていらない」と思っていました。
でも、乳がんになって初めて、「がんになってからでは、もう保険には入れない」という厳しい現実を知りました。
不安を抱えながら病院へ通う日々の中で、「お金の心配をしなくていい」という安心感は、前を向くための本当に大きな力になりました。
がん保険は、使わないで済むのが一番です。
でも、いざという時に「あってよかった」と心から思える、自分への最高のお守りになります。
今の保険で、本当に足りますか?
ここまで読んでくださった方の中には、「自分の保険は大丈夫かな…」と不安になった方もいるかもしれません。
私も“まだ大丈夫”と思っていました。でも、乳がんになって初めて「もっと早く知っていれば…」と痛感したのです。私がどうやって保障内容を見直し、実際に相談して安心を手に入れたのか。その具体的なステップをこちらにまとめています。
あわせて読んでほしい2つの体験記
- 「手遅れになる前に」伝えたい、私の切実な想い
- 保険を見直す「奇跡のタイミング」はいつ?



