12年前の私と同じ場所にいるあなたへ。

この記事を読んでいるあなたは、今、言葉にならない不安の中にいるかもしれません。
結論から言うと、トリプルネガティブ乳がんでも、適切な治療で完治を目指せます。
2013年、私は「トリプルネガティブ乳がん」と告げられました。
出口のないトンネルに迷い込んだようなあの日から12年。
2024年、10年以上の経過観察を経て、主治医から「完治」と言っていただくことができました。
かつての私と同じように、暗闇の中で検索を止められないあなたへ。
この記事では、私の10年以上の歩みを振り返りながら、当時の記憶を綴ります。

私が歩んだ治療の道のりです。
- 2013年:トリプルネガティブ乳がん告知
- 治療:術前抗がん剤治療
- 手術:乳房温存手術
- 術後:放射線治療
- その後:10年以上の経過観察
- 2024年:経過観察終了(完治)
- 告知直後の混乱した心をどう立て直したか
- 「トリプルネガティブ」を正しく理解し、味方につける方法
- 後悔しないための「治療のハンドル」の握り方
- 12年前にはなかった、今の医療がくれる「新しい希望」
私の体験談が、あなたの次の一歩を照らす小さな灯火になれば嬉しいです。
宣告のあの日:泣いても、立ち止まっても大丈夫
「トリプルネガティブ乳がんですね。」

その瞬間、診察室の音が消えたように感じました。
主治医の言葉を聞いた瞬間、診察室の空気の音が消えたような気がしました。
帰り道の景色は一切覚えていません。

帰り道の景色は、何も覚えていませんでした。
家族の顔を見るのが怖くて、ただ涙が溢れて止まりませんでした。
告知を受けてすぐに前向きになれる人なんていません。
泣いてもいいし、動けなくなってもいい。
治療が始まるまでの「空白の時間」は、あなたが心を休め、これから始まる戦いのために息を整えるための、大切な準備期間なのです。
検査の連続:「がんと戦う精密な地図」を作る時間
それから、マンモ、エコー、MRI、CTと続く検査の日々が始まりました。

検査のたびに、一喜一憂していました。
検査の数値が出るたびに一喜一憂し、ネットで検索してはさらに怖くなる。
でも、ある時ふと気づいたのです。
この検査の一つひとつは、私を苦しめるものではなく、「私に一番効く武器(薬や術式)」を医師が選ぶための精密な地図を作ってくれているんだ、と。

検査は、治るための地図を作る時間でもありました。
- MRI・CT検査:がんの正確な広がりや、全身への転移の有無を詳細に把握します。
- 組織診・細胞診:がん細胞を採取し、「トリプルネガティブ」等のタイプを確定させます。
- PET検査:全身の細胞の活動を撮影し、進行度を精密に調べます。
検査を一つ終えるたびに、「今日も一歩、治るための準備が進んだね」と自分をねぎらってあげてください。
それは確実に完治へと向かうための前進です。
トリプルネガティブを正しく知る:不安を「理解」に変える
「トリプルネガティブ」と聞くと、治療法が少ないという古い情報に怯えてしまうかもしれません。
でも、正しく知ることで、その不安は「理解」や「覚悟」に変わります。

乳がんには3つの「タイプ(受容体)」があり、それによって効く薬が違います。

乳がんはタイプによって、使える治療が変わります。
トリプルネガティブは、3つの受容体がすべて陰性(ネガティブ)なタイプ。
ホルモン療法などは効きませんが、その分、抗がん剤の効果が出やすいという特徴があります。
トリプルネガティブ乳がんの生存率と再発率は?数字だけではわからないこと
一般的に、トリプルネガティブ乳がんは他のタイプより再発しやすいといわれています。
特に診断から3〜5年以内は注意が必要とされます。

数字だけを見ると、不安が大きくなることもありました。
ただし、5年を超えると再発率は下がっていく傾向があります。
そして今は、免疫療法や新しい抗がん剤の登場で、12年前より治療成績は飛躍的に向上しています。
余命や生存率といった数字だけを見て絶望しないでください。
トリプルネガティブ乳がんの余命は?検索して眠れなかった私へ
「余命」と検索すると、怖い情報ばかり出てきますよね。
私も当時、何度も検索して眠れなくなりました。
ですが、余命は一律で決まるものではありません。
ステージ、年齢、治療の効き方、再発の有無などで大きく変わります。
そして今は12年前より治療法が進歩しています。

12年前より、治療の選択肢は広がっています。
「今のあなた」に合う治療を受けられる時代です。
トリプルネガティブ乳がんの治療法|抗がん剤・手術・治療期間の流れ
検査が終わり、いよいよ治療方針を決める段階で、私は大きな壁にぶつかりました。

治療方針を決めることは、とても大きな壁でした。
主治医から「先に抗がん剤にするか、手術を先にするか」を問われたのです。
私は思わず、「先生の奥様が同じ状況だったら、どちらを選びますか?」と尋ねました。

納得できる道を選ぶために、私は先生に尋ねました。
先生は一人の人間として、誠実に答えてくれました。
術前抗がん剤:約6か月
- 手術:入院〜退院まで約1週間前後(温存術)
- 放射線治療:約25日
この時、私は初めて「自分の治療のハンドルを自分で握る」という感覚を知りました。
納得して選んだ道だからこそ、その後の長く辛い治療期間も乗り越えていけたのだと思います。
5. 医療の進化:12年前よりもずっと明るい「今」
私が治療した12年前にはなかった新しい薬(免疫チェックポイント阻害薬など)が、今は次々と登場しています。

12年前よりも、今は治療の選択肢が広がっています。
以前は「治療法が限られている」と言われていたトリプルネガティブ乳がんも、今は「あなたに合う治療を選べる」時代へと進化しています。

私が歩んできた道よりも、今のあなたが歩む道は、もっと光が差し込んでいるはずです。
「トリプルネガティブ=治らない」という時代は終わりました。
焦らず、希望を持って次のステップへ進んでくださいね。
大切な「安心」を整えるために
告知を受けた直後は、心だけでなく「生活やお金」の不安も押し寄せてくるものです。
実際、私が最初に最も不安だったのは「治療費」でした。

治療だけでなく、お金の不安も大きな負担でした。
しかし私の場合、高額療養費制度の利用や医療保険の見直しで、金銭面の不安を減らし治療に専念することができました。
「今の保障で、これからの長い治療を支えきれるかな?」そんな不安を抱えている方へ、実際に私が比較して見直した流れをまとめています。
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不安な気持ちを抱えたまま、次のステップへ進むあなたへ。私の実体験が少しでも参考になれば幸いです。

治療の道のりは不安でも、希望へ向かって進んでいけます。
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