【第4話】「トリプルネガティブ乳がん」と告げられて〜不安の中で見つけた希望【体験記】

検査〜告知
きゃんばぁば
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この記事を読んでいるあなたは、もしかすると「トリプルネガティブ乳がん」と告げられたばかりかもしれません。

大切な人の、病気に不安を感じている方もいるでしょう。

私も12年前、同じように診断を受け、不安と向き合いました。

あの頃の私と同じ気持ちの方へ…。
この記事では、体験を交えながら、診断直後に知っておきたいこと、心の整え方、治療を選ぶときのヒントをお伝えします。

1.診断を受けた直後、まず知っておきたいこと

「トリプルネガティブ乳がん」と告げられた瞬間、

きゃんばぁば
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「これからどうなるの?」「治るの?」「家族にどう話せばいいの?」
次々と浮かぶ疑問や恐怖で、心が押しつぶされそうになりました。

今だからわかることがあります。
診断を受けた直後は誰でも不安で当然です。

「どうして私が」と思うのは、誰にでもある自然な感情です。
泣いてもいいし、立ち止まっても大丈夫。少しずつ、心の整理をしていけばいいのです。

治療を始めるまでに、検査や準備にお時間があります。
焦らなくても大丈夫。
一歩ずつ、ゆっくりでいいんです。私もそうでした。

検査から始まる「自分を知る時間」

きゃんばぁば
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診断を受けたあと、すぐに治療が始まるわけではありません。

まず、行われるのは、今の自分の体の状態を正しく知るための検査です。

乳がんのタイプ進行の度合い、そして体のどこにどんな変化があるのか。
それを確認することが、最初の一歩になります。

検査と聞くと怖い気持ちになるかもしれません。
でも、どの検査も治すために必要な検査です。

不安なまま進むより、
自分の体を知る時間」なんだと思えた方が、きっと心が落ち着きます。

乳がん確定診断で行われる主な検査

確定診断検査
検査名 内容
マンモグラフィー検査 X線で乳房の状態を確認する検査
超音波(エコー)検査 超音波でしこりの位置や大きさを確認
MRI検査 乳房の断面を撮影し、がんの広がりを詳しく調べる
CT検査 他の臓器やリンパ節への転移を確認
組織診・細胞診 がん細胞を採取し、性質や悪性度を調べる
腫瘍マーカー検査 血液中のがん関連物質の値を測定する
PET検査 体全体を撮影し、がんの転移を調べる

2.検査を重ねながら気づいたこと

検査はどれも体の負担をできるだけ少なくするように行われます。

きゃんばぁば
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「今日もまた検査か…」と思う日もありましたが…。
一歩ずつ前に進んでいると信じて、自分を励ましていました。

そんなときは、無理に頑張ろうとせず、
「今日一歩進めた」と自分をねぎらってくださいね。

知ることが怖いけれど、治療の力に変わります。

治療法の選択〜突きつけられた重い決断

検査がすべて終わり、いよいよ治療方針を決める段階になりました。

主治医からこう告げられました。
先に抗がん剤をしますか?それとも手術を先にしますか?」

主治医からの説明を聞く女性の写真のイメージ写真

治療法を、自分で決めなければならないなんて──その時まで知りませんでした。

どちらを選ぶかは私次第…そう言われましたが、すぐに答えは出せませんでした。

きゃんばぁば
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私は、思わず先生に尋ねました。
「奥様が同じ状況だったら、どちらを選びますか?」

先生は少し考えた後、「僕なら術前抗がん剤を選びます」と。

それでも、私の心の中は揺れたままで、どうしても決断することができませんでした。
今の私には、治療法は選べないよ……。

それでも、少し時間をかけて、自分の気持ちと向き合うことにしました。
この選択は、これからの人生にも関わる大切な決断だから。

検査の目的は正確に知ること

乳がんのタイプがんの大きさ転移の有無
それらを把握することが、今後の治療を決めるための重要なステップです。

主治医は、あなたのタイプに合った治療を選ぶために、この検査結果をもとに判断をしていきます。

「なぜこんなに検査が多いの?」と思う日もあるかもしれません。
でも、その一つひとつが、これからの治療を支える大切な準備なのです。

CTj検査の写真のイメージ写真

次から次へ検査ばかりの日が続きました。

3.トリプルネガティブ乳がんとは?知っておきたい基礎知識

トリプルネガティブ乳がん」と聞くと
「悪性度が高い」「再発しやすい」といった言葉が思い浮かぶかもしれません。

私も最初にその名前を聞いたときは「とても怖いがんなんだ」と感じ、不安で眠れない夜を過ごしました。

でも、正しい知識を知ることで、不安は少しずつ「理解」へと変わっていきます。

一般的には、乳がんは次の3つの因子(受容体)の有無によって治療方針が決まります。

乳がん3つの受容体
受容体名 働き 陽性の場合の主な治療
エストロゲン受容体 女性ホルモン(エストロゲン)でがんが増えるタイプ ホルモン療法
プロゲステロン受容体 もう一つの女性ホルモン(プロゲステロン)で成長するタイプ ホルモン療法
HER2(ハーツー) がんの増殖を促すたんぱく質 分子標的治療(抗HER2薬)

 

トリプルネガティブ乳がんとは?

きゃんばぁば
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乳がんは「がん細胞がどんな特徴(タイプ)を持っているのか」でいくつかの種類に分けられます。

その特徴を調べることで、最適な治療法を選ぶことができます。

この3つの受容体がすべて陰性(ネガティブ)なのがトリプルネガティブ乳がん
(Triple Negative Breast Cancer)TNBCです。

つまりこのタイプは、ホルモン療法も分子標的薬も効かないため、
抗がん剤治療が中心の治療になります。

進化する治療法〜希望を持てる時代に

きゃんばぁば
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以前は「トリプルネガティブ乳がんは治療法が限られている」と言われていました。ここ数年で治療の選択肢は確実に増えています。

代表的なのが、免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボやキイトルーダなど)を使った治療。

これらは体の免疫力を高め、がん細胞を攻撃する力をサポートする薬です。
従来の抗がん剤と併用することで、効果が高まるケースも報告されています。

さらに、再発予防や転移抑制を目的とした臨床試験(治験)も国内外で進んでいて
トリプルネガティブ乳がん=治らない」という時代ではなくなりつつあります。

今は、医師と一緒に治療方針を話し合いながら、
あなた自身が納得できる治療を選べる時代です。
焦らず、希望を持って次のステップへ進んでくださいね。

医師が検査内容を書いている場面(イメージ)

あなたの乳がんのことを、いちばん理解してくれているのは主治医です。信頼できる先生と一緒に考えていきましょう。

治療法が限られていた時代を知っているからこそ、今の希望を伝えたいと思います。

インフォームド・コンセント(Informed Consent) とは
患者が医師から十分な説明を受け、納得したうえで治療方針を決めること。
不安や疑問があれば、遠慮せずに質問して大丈夫です。
先生と話すことで、自分の治療という実感が持てるようになります。

さいごに

トリプルネガティブ乳がんと聞くと、最初は誰もが不安になります。
でも、医療は確実に進歩し、治療の選択肢も広がっています。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

そして何より、あなたは一人ではありません。

同じ経験をした私たちが、ここにいます。
どうか希望を持って、自分のペースで歩んでくださいね。


⚠️免責事項
※この記事は、筆者自身の経験と一般的な医療情報をもとにまとめたものです。
治療内容や経過には個人差があります。
実際の診断・治療方針については、必ず主治医や専門医にご相談ください。

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きゃんばぁば
トリプルネガティブ乳がんを経験したサバイバー。
現在は家族の闘病を支えながら、がんとの向き合い方や日々の想いを
Instagram・ブログ・noteで発信しています。
同じように悩む人が「ひとりじゃない」と感じられるように──
心に寄り添う発信を続けています。プロフィールはこちら
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