2025年3月。
夫が食道がんと診断される前、我が家には「最初の異変」が訪れていました。
お酒が大好きで、美味しいものを食べることを何より楽しみにしていた夫。
異変の兆候は突然で、それは家族で出かけた焼き肉店でのことでした。
「単なる体調不良」ではないと気付けたのは、私自身が乳がんを経験していたからです。
ここから始まった我が家の記録を残していきたいと思います。
楽しかった焼き肉の途中で、突然始まった激しい異変
家族で焼き肉を食べに行った、ある日のことです。
食事の途中、夫が激しく嘔吐したのです。

楽しいはずの食事の席で、夫のいつもと違う様子に胸がざわつきました。
よくある「ちょっと気分が悪くなって吐いてしまった」という感じではありませんでした。
食べたものが勢いよく飛び散り、横で見ていた私には、
「何かが詰まっていて、それを体が無理に吐き出そうとしている」
ように見えたのです。

「これは、ただ事じゃない」
そう直感しました。
実は、私自身、過去に乳がんを経験しています。
自分ががんになったとき、病気のことを知りたくて、たくさんの本を読みました。
その中に、「食べたものが、つかえるような症状があれば、すぐに受診するように」と書かれていたことを覚えていたのです。
だから、目の前の夫の様子を、
「ちょっと体調が悪かっただけ」
とは思えませんでした。
食事のたびに同じことが起こるようになった
そして、異変はその日だけでは終わりませんでした。
その後も、夫は食事のたびに食べたものを戻すようになったのです。
日に日に、食べる量も減っていきます。
あんなによく食べる夫が、食べられない。
やっぱり、何かが絶対におかしい。

小さな違和感が重なるうちに、見過ごせないサインへと変わっていきました。
夫は以前から消化器内科に通っていたので、私は「内視鏡検査を受けてほしい」と勧めました。
この時の私には、何の病気なのかまでは分かりません。
ただ、「一度きちんと調べてもらった方がいい」
その思いでいっぱいでした。
2025年4月、夫はいつもの消化器内科で内視鏡検査を受けることになりました。
内視鏡検査から帰った夫が「がんみたいや…」と言った
検査の当日。
病院から帰ってきた夫が、ぽつりと言いました。

「がんみたいや…」

「え…..?」
一瞬、何を言われたのか理解できませんでした。
がん?
夫が?

何気ない日常の中に、突然、聞き慣れない重さのある言葉が落ちてきました。
慌てて聞き返してみても、夫自身、先生から説明されたのかよく覚えていない様子でした。
検査の時の麻酔の影響が、まだ残っていたのかもしれません。
詳しいことは、まだ何もわからない状態です。
ただ、夫の口から出た
「がんみたいや…」という言葉だけが重く私の心に残りました。
あの焼き肉店で夫の異変を見たときに感じた、
「これは、ただ事じゃない」
そんな嫌な予感が、頭をよぎりました。
でも、まだ医師から、正式な結果を聞いたわけではありません。
数日後、今度は私も夫と一緒に病院へ行き、改めて先生から検査の結果を聞くことになりました。
このときはまだ、夫の食道に何が起きているのか、詳しいことはわかりませんでした。
次の診察で、私たちは初めてその病変を目にすることになります。
夫と二人で診察室に入り、先生から「この部分ががんです」と説明を受けた日のことをお話しします。
続きはこちら|第2話「この部分ががんです」と告げられた日↓
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自身の乳がん治療を経験し、その後、義理の妹の膵がん、夫の食道がんを家族として支えてきました。
義理の妹とは長く親しくしていて、私にとっては妹のような存在でした。
このブログでは、患者として、家族として経験したことを、自分の言葉で記録しています。その後の暮らしや、これからの生き方についても書いています。
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