今回は、治療を終えたあとに自分の生活を振り返りながら、私自身が考えたことを書いてみたいと思います。

治療中には見えなかった自分の暮らしに、少しずつ目を向けるようになりました。
治療を終えてから「どうして私は乳がんになったんだろう」と考えました
乳がんの治療を終えて少し落ち着いた頃、私は自分の生活を振り返るようになりました。
「どうして私は乳がんになったんだろう?」
治療が終わり、少しずつ自分の生活を振り返る余裕が出てきたことで、「なぜ私は乳がんになったのだろう」と考えるようになったのだと思います。
乳がんと診断された当時、私は51歳でした。
仕事、家事、3人の子どもたちのこと、PTAや日々の用事。
毎日やることがたくさんあり、自分のことはいつも後回しでした。
睡眠時間が5時間ほどの日も多く、いつも頭がいっぱいでした。

振り返ると、あの頃の私は「こなすこと」で一日が終わっていました。
今振り返ると、

あの頃は、本当に毎日いっぱいいっぱいだったな
と思います。
そんな当時の生活を振り返りながら、
「食生活が悪かったのかな」
「もっと眠っていればよかったのかな」
「毎日忙しくしすぎたのかな」
と、自分の過去の中に乳がんになった理由を探すようになりました。
特別な一つの出来事がきっかけだったわけではありません。
治療が終わって少し落ち着き、自分の生活を振り返る余裕が出てきたことが、調べ始めるきっかけだったのだと思います。
生活を振り返ると、変えられる要因と変えられない要因がありました
乳がんについて調べながら自分の生活を一つずつ振り返っていくと、私の中で少しずつ整理できることがありました。
乳がんのリスクに関わる要因の中には、これからの生活で見直せるものがあります。
その一方で、自分では変えることのできないものもあります。
ここでいう「変えられる」というのは、過去に戻って自分の生活を変えるという意味ではありません。
これからの生活の中で、自分にできる範囲で見直していけるもの、という意味です。

すべてに答えを出すのではなく、今の自分にできることへ目を向けるようになりました。
ほぼ毎日のお酒は、これから見直せる要因のひとつでした
当時の私は、ビール350mlを飲むことが多く、酎ハイを飲むこともありました。
頻度としては、ほぼ毎日のように飲んでいたという感覚です。
仕事、家事、子どもたちのこと、PTA。
一日が終わったあとに飲むお酒は、私にとって一日の終わりの楽しみでもあり、自分へのご褒美のような時間でもありました。
ストレスを解消するような時間でもあったのだと思います。

慌ただしい毎日の中で、この時間だけが少し自分に戻れるような気がしていました。
乳がんと診断される前の私は、お酒と乳がんとの関係についてほとんど知りませんでした。
治療を終えたあと、自分の生活を振り返りながら調べていく中で、飲酒が乳がんのリスクに関わる要因の一つとされていることを知りました。
ただ、それを知ったからといって、
「お酒を飲んでいたから、私は乳がんになった」
と断定できるわけではありません。
私にとって飲酒は、過去の自分を責めるための材料ではなく、これからの生活の中で見直すことのできるものの一つだと考えています。
小学4年生で迎えた初経は、自分では変えられない要因でした
私は小学4年生で初経を迎えました。
初経年齢が乳がんのリスクと関係する可能性があることを、私がいつ知ったのかは、今となってははっきり覚えていません。
国立がん研究センターでは、初経年齢が低いことは、乳がんのリスクを高めると考えられている要因の一つとして挙げられています。
でも、初経を迎える時期は、自分で選べるものではありません。
「もっと気をつければよかった」
「何かを変えておけばよかった」
という話ではないのです。

あとから知ったことの中には、自分ではどうすることもできなかったものもありました。
自分の生活を振り返る中で、乳がんには、これから見直すことのできる要因だけでなく、自分では変えることのできない要因もあるのだと考えるようになりました。
睡眠不足やストレスまで「乳がんの原因かもしれない」と考えていました
当時の私は、睡眠時間が5時間ほどの日も多く、仕事や家事、子どもたちのことなどで、いつも頭がいっぱいでした。
だから、
「睡眠不足だったから乳がんになったのでは?」
「ストレスが多かったからでは?」
「もっとゆっくり生活していれば違ったのでは?」
と考えたこともあります。
自分の生活を振り返り始めると、いろいろなことが「原因だったのかもしれない」と思えてしまいました。

答えが欲しくて、過去の暮らしを何度も思い返していた頃です。
でも、調べたり自分の生活を振り返ったりするうちに、睡眠不足やストレスだけを「私が乳がんになった原因」と決めつけることはしなくなりました。
当時の私は、それだけ何とかして「なぜ自分が乳がんになったのか」という答えを見つけたかったのだと思います。
振り返っても「これが乳がんの原因だった」とは言い切れませんでした
お酒。
初経の時期。
睡眠不足。
仕事や家事、子育てに追われていた毎日。
治療を終えたあと、私は自分の生活をいろいろな角度から振り返りました。
その中には、これから見直せるものもあれば、自分ではどうすることもできなかったものもありました。

振り返るほどに、答えは一つではないのだと感じるようになりました。
それでも、
「これ一つが、私が乳がんになった原因だった」
と決めることはできませんでした。
乳がんには、生活習慣だけではなく、さまざまな要因が関わるとされています。
だから私は、自分の過去の中から「これが原因だった」と一つだけ答えを探し出そうとすることを、少しずつやめていきました。
これから見直せることは、今の自分を大切にするために考えていきたい
生活を振り返ってみて、これからの自分にできることもあると思いました。
でも、それは「これをすれば、もうがんにならない」と考えているからではありません。
これからの生活の中で見直せることがあるなら、自分にできる範囲で取り入れていきたい。
今の自分の体を大切にしながら、これからを少しでも健やかに暮らしていきたいからです。

大きく変えるのではなく、続けられることを少しずつ重ねていきたいと思いました。
乳がんを経験してから、私は以前よりも自分の体や生活について考えるようになりました。
「ちゃんとしなければ」と自分を追い込むのではなく、今の自分にできることを、自分のために考えていけばいい。
今はそんなふうに思っています。
過去の生活を振り返っても、自分を責めなくていいと思っています
治療後に生活を振り返っていた頃は、
「何が悪かったんだろう」
「何をしなければよかったんだろう」
と考えることがありました。
けれど今は、乳がんになった理由を、自分の過去の生活だけに求めなくてもいいと思っています。
見直せることもあれば、自分では変えられなかったこともあります。
そして、どれか一つを「乳がんになった原因」と決めることもできませんでした。
だから今は、過去を振り返ることを、
「もっとこうしておけばよかった」
と後悔するためだけのものにはしたくありません。
これから先、
「今の私にできることは何だろう」
と考えるための振り返りにしたいと思っています。

答えを探し続けるより、これからの自分にやさしくしていきたいと思うようになりました。
過去の自分を責めるのではなく、これからの自分を大切にしていきたい。
乳がんを経験して、私がたどり着いた答えの一つです。
次回は2013年へ。抗がん剤治療前のウィッグ探しを振り返ります
今回は、治療を終えたあとに自分の生活を振り返って考えたことを書きました。
次回は時間を戻して、2013年。
抗がん剤治療が始まる前のお話です。
抗がん剤と聞いて、私がまず不安になったことの一つが「髪の毛が抜けること」でした。
まだ脱毛が始まっていないうちに、私はウィッグを探しに行きました。

次回は、治療前に向き合ったもう一つの不安を振り返ります。
実際に探してみて、私は何を感じたのか。
第49話では、抗がん剤治療前のウィッグ探しについて振り返ります。
第49話はこちらから↓
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