【第22話】乳がん放射線治療後、咳が止まらない私に起きたこと|放射線肺臓炎と間質性肺炎に向き合った10年

乳がん体験記

※この記事は、私自身が乳がん治療後に経験した放射線肺臓炎・間質性肺炎の体験をもとに書いています。症状の出方や治療内容、回復までの経過には個人差があります。咳や息苦しさ、発熱、強い倦怠感など気になる症状が続く場合は、自己判断せず、必ず主治医や医療者に相談してください。

乳がんの放射線治療が終わったとき、私はようやく少し安心できると思っていました。

「これでひとつ区切りがついた。普通の生活に戻っていける」と安堵していた矢先、原因不明の咳が続くようになったのです。

すぐに治るだろうと軽く考えていたこの咳。

それは、放射線肺臓炎、そしてその後の間質性肺炎と長く向き合う日々の始まりでした。

「ただの風邪?」治療を終えた安心と、自分をごまかしていた日々

放射線治療を終えてしばらくした頃、こんこんと咳が出るようになりました。

最初は、「風邪かな」「少し疲れが出ているのかな」と、そこまで深刻には考えていませんでした。

今振り返ると、治療が終わったばかりで、また病院に戻るのが怖かったのだと思います。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「少し様子を見れば治るかもしれない」
「大したことではありませんように」

そう自分をごまかして、体のサインを見過ごそうとしていたのです。

放射線治療後に咳を風邪だと思い様子を見ていた女性の4コマ漫画

「きっと大丈夫」と思いたい気持ちが、受診を迷わせることもあります。

主治医の「すぐ来てください」の一言と、突然の入院宣告

けれど、咳はなかなか治まらず、日に日に息苦しさも増していきました。

「さすがにおかしい」と意を決し、乳腺外科の主治医に連絡を入れたところ、返ってきたのは思いがけない言葉でした。

医師
医師

「すぐに診察に来てください」

その言葉を聞いた瞬間、胸がざわっとし、ただの風邪ではないのかもしれないという緊張感が走りました。

主治医からすぐ診察に来るよう電話で言われ不安になる女性のイラスト

電話越しの一言に、胸がざわっとした瞬間でした。

急いで病院へ向かい、レントゲンや血液検査を受けたあと、診察室で主治医から告げられたのは耳を疑うような言葉でした。

医師
医師

「放射線肺臓炎の可能性があります。入院が必要です」

せっかく乳がんの治療が終わったと思っていたのに。

予想もしていなかった言葉に、ショックと悔しさで頭の中が真っ白になりました。

診察室で放射線肺臓炎の可能性と入院を告げられる女性のイラスト

治療が終わったと思っていた矢先、思いがけない入院が決まりました。

放射線肺臓炎とステロイド治療|私の場合と大切な注意点

診察後すぐにCT検査を受け、私の場合は正式に「放射線肺臓炎」と診断されました。

そのまま20日間の入院となり、炎症を抑えるために、医師の管理のもと、短期間で高用量のステロイドを点滴する「ステロイドパルス療法」が始まりました。

最初の数日はとにかく倦怠感が強く、体が鉛のように重くて、ほとんど眠って過ごすしかありませんでした。

放射線肺臓炎の治療で入院し強い倦怠感の中で休む女性のイラスト

体が重く、休むことしかできない日もありました。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

ここで一つ、大切なことをお伝えさせてください。

放射線肺臓炎の症状の出方や、入院・ステロイド治療の必要性は人によって異なります。

あくまで「私の場合」の経過です。

また、治療に使うステロイド薬は、自己判断で急に減らしたり中止したりしてはいけない薬です。必ず主治医と相談しながら、慎重に治療を進めることがとても重要になります。

咳が続いてから主治医に相談し検査や入院治療につながる流れを示した図解

症状が続くときは、自己判断せず医師に相談することが大切です。

間質性肺炎と向き合う日々|再燃を繰り返し、減薬3mgまで歩んだ現在地

退院後も、私の闘病は続きました。

入院中の検査やその後の経過の中で、私の経過では、さらに「間質性肺炎」とも向き合うことになりました。

体調が落ち着いたと思っても、また悪くなる。

再燃を繰り返し、そのたびに入退院を経験したことは、体だけでなく心にも本当に大きな負担でした。

間質性肺炎の再燃と通院を繰り返しながら少しずつ前に進む女性の4コマ漫画

良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、少しずつ付き合い方を覚えていきました。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「またあの苦しい入院生活に戻るのではないか」

と思うたびに気持ちが沈み、診察のたびに結果を聞くのが怖くてたまらない時期もありました。

終わりの見えない不安に押しつぶされそうになりながらも、少しずつ前に進んできた日々でした。

発症から10年が経った今も、「完全に克服した」とは言い切れません。

現在も呼吸器内科の専門医のもとで、慎重に経過を見ています。

けれど、長くステロイド薬を少量で継続する中で、少しずつ病状は安定していきました。

現在は、ステロイド薬を3mgまで減薬することができています。

以前は「早く薬をやめたい」と焦る気持ちばかりでしたが、今は、体の状態を見ながら焦らずに進めることの大切さをひしひしと感じています。

間質性肺炎の経過を見ながら医師と減薬について相談する女性のイラスト

焦らず、体の状態を見ながら進めることも治療の大切な一歩でした。

咳を我慢しすぎないで|突然の入院で痛感した、相談することと備えること

治療が終わったあとに不調が続くと、

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「ただの疲れだと思いたい」
「もう病院に行きたくない」

と不安になるお気持ちは、痛いほどよくわかります。

でも、咳や息苦しさ、発熱、強い倦怠感など、いつもと違う症状が続くときは、決して我慢しすぎないでください。

私も、あのときもっと早く相談していればよかったと今でも思います。

咳や息苦しさなどの症状をメモして病院へ相談しようとする女性のイラスト

気になる症状をメモしておくと、受診や電話相談のときに伝えやすくなります。

そして、突然の入院宣告は準備もままならず、何を持っていけばいいのか本当に焦りました。

突然の入院は、体調だけでなく気持ちの準備も追いつきませんでした。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「もしあの時、これを持っていれば……」

次回は、短期・長期を問わず、突然の入院生活で私が「本当に大切だ」と感じた持ち物のひとつ、キャリーケースについてお話しします。

突然の入院に備えてキャリーケースに荷物を詰める女性のイラスト

突然の入院では、必要なものをすぐにまとめられることが心の支えになります。

第23話はこちらから↓


乳がんのこと、家族の闘病を支える中で感じたことは、Instagramでも少しずつ綴っています。

Instagram
@cansan_bar2

この記事を書いた人

きゃんばぁば|乳がんサバイバー/家族の闘病サポーター

乳がんを経験し、経過観察を経てひとつの区切りを迎えました。

その後、妹の膵がん、夫の食道がんを家族として支えてきた経験をもとに、患者と家族の視点で記事を書いています。

詳しいプロフィールはこちら

※掲載している文章・画像の無断転載・使用はご遠慮ください。

タイトルとURLをコピーしました