乳がんの放射線治療が終わったとき、私はようやく少し安心できると思っていました。
「これでひとつ区切りがついた。普通の生活に戻っていける」と安堵していた矢先、原因不明の咳が続くようになったのです。
すぐに治るだろうと軽く考えていたこの咳。
それは、放射線肺臓炎、そしてその後の間質性肺炎と長く向き合う日々の始まりでした。
「ただの風邪?」治療を終えた安心と、自分をごまかしていた日々
放射線治療を終えてしばらくした頃、こんこんと咳が出るようになりました。
最初は、「風邪かな」「少し疲れが出ているのかな」と、そこまで深刻には考えていませんでした。
今振り返ると、治療が終わったばかりで、また病院に戻るのが怖かったのだと思います。

「少し様子を見れば治るかもしれない」
「大したことではありませんように」
そう自分をごまかして、体のサインを見過ごそうとしていたのです。

「きっと大丈夫」と思いたい気持ちが、受診を迷わせることもあります。
主治医の「すぐ来てください」の一言と、突然の入院宣告
けれど、咳はなかなか治まらず、日に日に息苦しさも増していきました。
「さすがにおかしい」と意を決し、乳腺外科の主治医に連絡を入れたところ、返ってきたのは思いがけない言葉でした。

「すぐに診察に来てください」
その言葉を聞いた瞬間、胸がざわっとし、ただの風邪ではないのかもしれないという緊張感が走りました。

電話越しの一言に、胸がざわっとした瞬間でした。
急いで病院へ向かい、レントゲンや血液検査を受けたあと、診察室で主治医から告げられたのは耳を疑うような言葉でした。

「放射線肺臓炎の可能性があります。入院が必要です」
せっかく乳がんの治療が終わったと思っていたのに。
予想もしていなかった言葉に、ショックと悔しさで頭の中が真っ白になりました。

治療が終わったと思っていた矢先、思いがけない入院が決まりました。
放射線肺臓炎とステロイド治療|私の場合と大切な注意点
診察後すぐにCT検査を受け、私の場合は正式に「放射線肺臓炎」と診断されました。
そのまま20日間の入院となり、炎症を抑えるために、医師の管理のもと、短期間で高用量のステロイドを点滴する「ステロイドパルス療法」が始まりました。
最初の数日はとにかく倦怠感が強く、体が鉛のように重くて、ほとんど眠って過ごすしかありませんでした。

体が重く、休むことしかできない日もありました。

ここで一つ、大切なことをお伝えさせてください。
放射線肺臓炎の症状の出方や、入院・ステロイド治療の必要性は人によって異なります。
あくまで「私の場合」の経過です。
また、治療に使うステロイド薬は、自己判断で急に減らしたり中止したりしてはいけない薬です。必ず主治医と相談しながら、慎重に治療を進めることがとても重要になります。

症状が続くときは、自己判断せず医師に相談することが大切です。
間質性肺炎と向き合う日々|再燃を繰り返し、減薬3mgまで歩んだ現在地
退院後も、私の闘病は続きました。
入院中の検査やその後の経過の中で、私の経過では、さらに「間質性肺炎」とも向き合うことになりました。
体調が落ち着いたと思っても、また悪くなる。
再燃を繰り返し、そのたびに入退院を経験したことは、体だけでなく心にも本当に大きな負担でした。

良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、少しずつ付き合い方を覚えていきました。

「またあの苦しい入院生活に戻るのではないか」
と思うたびに気持ちが沈み、診察のたびに結果を聞くのが怖くてたまらない時期もありました。
終わりの見えない不安に押しつぶされそうになりながらも、少しずつ前に進んできた日々でした。
発症から10年が経った今も、「完全に克服した」とは言い切れません。
現在も呼吸器内科の専門医のもとで、慎重に経過を見ています。
けれど、長くステロイド薬を少量で継続する中で、少しずつ病状は安定していきました。
現在は、ステロイド薬を3mgまで減薬することができています。
以前は「早く薬をやめたい」と焦る気持ちばかりでしたが、今は、体の状態を見ながら焦らずに進めることの大切さをひしひしと感じています。

焦らず、体の状態を見ながら進めることも治療の大切な一歩でした。
咳を我慢しすぎないで|突然の入院で痛感した、相談することと備えること
治療が終わったあとに不調が続くと、

「ただの疲れだと思いたい」
「もう病院に行きたくない」
と不安になるお気持ちは、痛いほどよくわかります。
でも、咳や息苦しさ、発熱、強い倦怠感など、いつもと違う症状が続くときは、決して我慢しすぎないでください。
私も、あのときもっと早く相談していればよかったと今でも思います。

気になる症状をメモしておくと、受診や電話相談のときに伝えやすくなります。
そして、突然の入院宣告は準備もままならず、何を持っていけばいいのか本当に焦りました。
突然の入院は、体調だけでなく気持ちの準備も追いつきませんでした。

「もしあの時、これを持っていれば……」
次回は、短期・長期を問わず、突然の入院生活で私が「本当に大切だ」と感じた持ち物のひとつ、キャリーケースについてお話しします。

突然の入院では、必要なものをすぐにまとめられることが心の支えになります。
第23話はこちらから↓
乳がんのこと、家族の闘病を支える中で感じたことは、Instagramでも少しずつ綴っています。
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