【第20話】乳がん手術後、すぐには戻らない体と予想外の髪の変化|ウィッグに支えられ、放射線治療へ

乳がん体験記

乳がんの手術が終わったとき、私は大きな山をひとつ越えたような気持ちになりました。

抗がん剤治療、そして手術。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「ここまで来られたんだ」と、ホッとしたのも束の間。

治療がひと区切りしたはずなのに、体はすぐには元通りにならず、まるでまだ治療の途中にいるような焦りと戸惑いがありました。

今回は、私が乳がん手術後から放射線治療が始まるまでの間に感じた「体と髪の変化」について書いていきます。

※この記事は、私自身の乳がん治療中の体験をもとに書いています。手術後の痛みや回復の早さ、髪の生え方には個人差があります。不安な症状がある場合は、自己判断せず、必ず主治医や医療者に相談してくださいね。

手術後の体|「早く元気にならなきゃ」という焦りと現実

手術後、強い痛みで動けないというほどではありませんでしたが、傷口のあたりにピリピリする痛みや、ズキズキするような違和感が続きました。

特に気になったのは、胸のつっぱる感じです。

腕を動かしたときや着替えるとき、ふとした動作のたびに

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「あ、まだ傷が治っている途中なんだな」

と実感させられました。

手術後の女性が着替えの途中で胸のつっぱりを感じているイラスト

何気ない動作の中で、体がまだ回復途中だと気づかされました。

手術が終わると、気持ちのどこかで「早く元の日常に戻らなきゃ」「家族に心配をかけたくない」と焦ってしまいがちです。

頭ではそう思っているのに、少し動いただけでドッと疲れてしまう現実。

自分の体が自分のものではないような、もどかしさを感じることもありました。

手術後の女性が少し動いただけで疲れを感じ、休むことを受け入れていく4コマ漫画

気持ちだけでは進めない日もありました。休むことも回復の一部でした。

でも実際には、体は本当に少しずつ、一歩一歩しか回復していかないのだと、この時期に学びました。

傷口の痛みを和らげる下着選びの工夫

手術後、意外と切実に悩んだのが下着選びでした。

「普通のブラジャーだと傷口に当たって痛いのではないか」「締めつけが良くないのではないか」と、何を着ればいいのか分からず、とても神経質になっていました。

そこで思い切って主治医に相談してみたところ、

医師
医師

「ブラトップを使ったほうがいいですよ」

とアドバイスをもらいました。

乳がん手術後の女性が診察室で主治医に下着選びについて相談しているイラスト

下着のことも、術後の生活では大切な相談ごとのひとつでした。

それ以来、私はブラトップを愛用するようになりました。

締めつけが少なく、傷口への刺激も優しく感じられて、当時の私にはとても合っていたのです。

もちろん、手術の方法や傷の場所によって、合う下着は人それぞれです。

痛みを我慢せず、今の自分の体に合うものを妥協せずに探すことは、心の安定にもつながる大切なプロセスだと思います。

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予想外の髪の変化|ストレートから「くるくる髪」へ

抗がん剤治療が終わったあと、私は髪が生えてくるのを心待ちにしていました。

脱毛していた時期は、鏡を見るたびに「私は治療中なんだ」と突きつけられているようだったからです。

だから、少しでも産毛が生えてきたときは本当にうれしかったのを覚えています。

でも、ようやく生え揃ってきた自分の髪を見て、私は驚き、フリーズしてしまいました。

抗がん剤治療後に生えてきたくるくる髪を見て、鏡の前で驚く女性のイラスト

髪が戻ってきた喜びのあとに、思いがけない戸惑いがありました。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「えっ、前と全然違う……くるくるしてる……」

以前のストレートヘアとは全く違う、強いくせ毛(縮れ毛)が生えてきたのです。

「このままだったらどうしよう」と、鏡の前で大きなショックと不安を感じました。

生えてきたのはうれしいはずなのに、以前の自分との違いに落ち込み、外出前にもためらってしまう日々。

抗がん剤後に髪が生え始めた喜びと、くるくる髪への戸惑いを描いた4コマ漫画

うれしいはずなのに戸惑う。髪の回復にも、心が追いつかない日がありました。

後から知ったのですが、抗がん剤後に生えてくる髪は、一時的に髪質が変わることがあるそうです。

私の場合は、このくるくるの髪質が落ち着き、元の状態に近い髪質に戻るまでに約2年かかりました。

今振り返ると、あのくるくるの髪も「私の体が、一生懸命に回復しようと頑張っている途中の姿」だったのだと、愛おしく思えます。

外出の不安から「気持ち」を守ってくれたウィッグ

髪が少しずつ生えてきても、すぐに地毛で外出できるわけではありませんでした。

人前に出るのはまだ恥ずかしく、不安な気持ちがいつも胸の内にありました。

そんな私の心を救ってくれたのが、ウィッグです。

外出するときにウィッグをつけると、スッと気持ちが整いました。

ウィッグをつけた女性が、外出前に鏡の前で気持ちを整えているイラスト

ウィッグは、外へ出るための小さな勇気をくれました。

「人からどう見られているだろう」という尽きない不安を優しくやわらげてくれたのです。

私にとってウィッグは、単に抜けた髪を隠すための道具ではなく、外に出る勇気をくれて、人と会うときの不安を軽くしてくれる「気持ちを守る相棒」でした。

この時期は頭皮もデリケートだったので、ゴシゴシ洗わずシャンプーの泡でやさしく洗い、タオルでこすらずそっと押さえて乾かすなど、日々のケアも私なりに気を遣っていました。

ウィッグをつけるときも、私の場合は内側に肌触りのよい「インナーキャップ」を1枚挟むだけで、チクチク感がかなり和らぎ、外出中の不安も少し軽くなりました。

ウィッグ、インナーキャップ、タオル、低刺激シャンプーを並べた頭皮ケアの資料風イラスト

肌に触れるものを少し工夫するだけで、外出の不安がやわらぐこともありました。

頭皮の状態や合うケアも人それぞれなので、かゆみや痛みがあるときは無理せず主治医や皮膚科の先生に相談してくださいね。

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焦らず自分のペースで|放射線治療へ向かう準備

手術という大きなイベントを終えたからといって、すぐに体力が戻るわけではありません。

しんどい日は休み、疲れたらすぐに横になる。

この時期の私は、とにかく「無理に頑張りすぎないこと」を自分に許しました。

乳がん手術後の女性が、ソファで温かい飲み物を持ちながら休んでいるイラスト

無理をしないと決めた時間が、次の治療へ向かう力になりました。

あの頃の私に声をかけるなら、

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「そんなに急がなくても大丈夫だよ」

と言ってあげたいです。

すぐに元気になれなくても大丈夫。

髪が思うようなスピードで戻らなくても大丈夫。

体はちゃんと、自分のペースで回復してくれています。

今は大切な回復の途中なんだと、自分を責めずにゆっくり休んでくださいね。

そうして少しずつ体を休めながら、私は次のステップである「放射線治療」の初日を迎えました。その時の体験や戸惑いについては、次のお話で綴っています。

👉 続きの第21話「放射線治療の体験記」はこちらから


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この記事を書いた人

きゃんばぁば|乳がんサバイバー/家族の闘病サポーター

乳がんを経験し、経過観察を経てひとつの区切りを迎えました。

その後、妹の膵がん、夫の食道がんを家族として支えてきた経験をもとに、患者と家族の視点で記事を書いています。

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