乳がん治療で「抗がん剤」と聞くと、誰もが気になるのが副作用ですよね。
私は2013年にトリプルネガティブ乳がんと告知され、術前抗がん剤、手術、放射線治療を経て、経過観察10年後の2024年に完治しました。
当時、パクリタキセルの副作用についてネットで調べても「個人差があります」という説明ばかり。
実際に自分の身にどんな症状が出るのかイメージできず、不安ばかりが募っていました。

ただし、ここに書くのはあくまで私の場合です。同じパクリタキセルでも、副作用の出方や時期は人によって違います。
【この記事でわかること】
- 手足のしびれはいつから?私が実践した3つの対策
- 脱毛のピークと、心を軽くするケア用品
- 味覚障害と白血球減少(感染症)を乗り切る工夫
- 副作用に関するよくある質問(Q&A)
「いつ、どんなことが起こるか」をあらかじめ知っておくだけで、心構えができ、不安は確実に軽くなります。
当時のリアルな体験が、あなたの参考になれば嬉しいです。

治療前は、ネットで調べても不安ばかりが大きくなっていました。
❶ 手足のしびれ(末梢神経障害)はいつから?具体的な症状と対策
パクリタキセルでは、手足のしびれが出る方もいます。
私の場合は、治療を2回受けた頃から、指先にピリピリした軽い違和感を感じ始めました。
そして4回目には、ペットボトルの蓋を開けることさえ一苦労になっていました。
ペットボトルの蓋が開けられなかったとき、私は病気そのものよりも、「今まで普通にできていたことができない」という現実に一番こたえました。

しびれで、今まで普通にできていたことが急に難しくなることがありました。
- 指先や足先が、ジンジンとしびれる
- 細かい動きがしづらく、ボタンを留めにくい
- 足の裏がふわふわして、地面を踏んでいる感覚が弱くなる
私が実践した「しびれ対策」3つ
- 手足の冷却について相談:病院の方針や体調によって向き不向きがあるため、主治医や看護師さんに確認しました。
- ビタミン剤などについて主治医に相談:自己判断では飲まず、必要かどうかを医師に確認しました。
- 軽いマッサージ:血流を促し、感覚を確かめる

しびれ対策は自己判断せず、主治医や看護師さんに相談しながら行いました。
私の場合、治療終了後、しびれは時間をかけて少しずつ回復していきました。
ただ、しびれの残り方には個人差があるため、気になる症状は早めに主治医へ相談することが大切だと思います。
❷ 脱毛はいつから?鏡を見るのが辛かった日々から吹っ切れた瞬間
パクリタキセルは、脱毛が起こりやすい抗がん剤のひとつです。
髪の毛をつくる毛母細胞が抗がん剤の影響を受けやすいため、治療開始から数週間ほどで髪が抜け始める方もいます。
私も例に漏れず、3回目の抗がん剤が終わる頃から髪がハラハラと抜け始め、その後、眉毛やまつ毛も少しずつ抜けていきました。
私の経過と当時の気持ち
最初は髪がゴワゴワしてブラシが通りにくくなり、やがて枕に抜け毛が増え、手ぐしを通すとごっそり抜けるようになりました。
お風呂場の排水口に髪がたまっていくのを見たとき、自分が少しずつ別人になっていくようで怖くなりました。
薬が効いている証拠だと分かっていても、涙が止まりませんでした。

脱毛が始まった頃は、自分が少しずつ変わっていくようで怖くなりました。
主治医の「また生えてくるからね」という言葉さえ、当時は素直に受け止められなかったのを覚えています。
「もう楽しもう」と吹っ切れた瞬間とケア用品

私が実践した脱毛ケア4選
- 医療用ウィッグ:外出も「いつも通り」に。新しい自分を楽しめました。
- 帽子やターバン:家の中でのリラックスタイムに欠かせない存在。
- アイブロウ・アイライン:眉やまつ毛がなくても、自然な印象に整えられます。
- ヘアキャップ(就寝時):抜け毛対策に。掃除のストレスも軽くなりました。

ウィッグやメイクに助けられ、「少し楽しんでみよう」と思えた瞬間もありました。
治療後2〜3ヶ月で産毛が生え始め、半年ほどで髪全体が戻ってきました。
当時は信じられなかったけれど、私の場合は、少しずつ髪が戻ってきました。
今、同じ不安の中にいる方にも、どうか一人で抱え込まないでほしいです。
脱毛に関する詳しい体験談はこちら👇
❸ 味覚障害と白血球減少(感染症):食事の工夫と防衛策
治療が進むにつれ、体の内側の変化も感じるようになりました。
私が試した食事と体調管理の工夫
3回目あたりから、食べ物の味が急に変わりました。
最初に違和感を感じたのは毎日飲んでいた「水」です。
大好きだったお味噌汁の味もわからなくなり、何を食べても苦いように感じてしまいました。

毎日飲んでいた水や味噌汁の味まで変わり、食事がつらく感じる時期がありました。
食欲がなくても「少しでも口にする」ことを諦めないよう、こんな工夫をしていました。
| 方法 | ポイント |
| 酸味をプラス | レモン、ポン酢、柑橘類で味をはっきりさせる |
| 香りを生かす | シソ、ショウガ、ハーブなど風味を補う |
| 冷やす・のどごし重視 | 冷製スープやゼリー、ヨーグルトなど食べやすく |
| 飲み物から栄養 | スムージー、栄養補助ドリンクを活用 |
| 食前のうがい・歯磨き | 口の中をリセットして食べやすくする |
| こまめな水分補給 | 脱水を防ぎ、体調を整えるためにも大切だと教わりました |

食べられるものを少しずつ探すことが、治療を続ける力になりました。
「一口でも食べられた」という小さな積み重ねが、治療を最後まで続ける大きな力になりました。
白血球減少に備える感染症対策と受診の目安
パクリタキセルでは白血球が減少し、免疫力が下がることがあります。
私も5回目で治療が一時中止になった経験があり、それからは「守り」の対策をより意識するようになりました。
私が心がけた感染症対策
- 手洗い・うがいの徹底:外出後だけでなく、こまめに喉と手をケア
- 人混みを避ける:外出時は必ずマスクを着用し、無理をしない
- 睡眠をしっかりとる:体の回復力を信じて、早めに休む

白血球が下がった時期は、手洗い・マスク・体調確認をより意識して過ごしました。
パクリタキセルの副作用に関するよくある質問(Q&A)
A. 個人差はありますが、私の場合は治療後2〜3か月ほどで徐々に軽くなっていきました。手足のしびれは少し長引きましたが、時間とともに自然に回復していきます。焦らず少しずつ体を整えていくことが大切です。
A. 「無理をしない」ことを意識しました。少しの食事でも、体が受け入れられるものを少しずつ。そして、“今日を生きる”という気持ちで、焦らず休む時間も大切にしていました。見た目の変化にはじめは落ち込みましたが、ウィッグやメイクを楽しもうと思えたのが転機になりました。
A. 不安でいっぱいな気持ち、痛いほどわかります。でも、あなたはひとりじゃありません。小さな一歩でも大丈夫。前に進もうとするその気持ちが、きっと力になります。
辛い経験が「強さ」に変わる時
副作用が続くと、「このしびれ、一生残ったらどうしよう」と出口の見えない不安に押しつぶされそうになることもありました。
でも、時間はかかっても、少しずつ確実に体は軽くなっていきます。

今振り返ると、私自身がこの乳がんの経験を通して健康と向き合い、生活を見直したからこそ、のちに夫の闘病を支えるときも、少しだけ強くいられたのだと思います。
あの時の涙も、思うように動かなかった指先も、すべてが無駄ではありませんでした。

あの時の涙も、思うように動かなかった指先も、今振り返ればすべて無駄ではありませんでした。
もし今、あなたが暗いトンネルの中にいるとしても、その先には、「以前より少しだけ強くなった自分」が待っていると、私は信じています。
次回は、私が受けていた「放射線治療」の実際の流れと、皮膚の副作用についてお話しします。
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