がん治療中、本当にかかったのは治療費だけではありませんでした

「高額療養費制度があるから、治療費は何とかなるはず」
最初はそう考えていました。
けれど実際には、制度の外側にある出費が少しずつ積み重なっていきました。

通院にかかる交通費も、治療中の生活を支えるために必要な出費でした。
- 通院にかかる交通費。
- 体がだるくて、どうしても歩けなかった日に頼ったタクシー代。
- 脱毛に備えて、自分の心を守るために準備した医療用ウィッグや帽子。
- そして、食欲がない時でも「これなら食べられる」と選んだ、体に優しい食材や栄養補助食品。
どれも治療費とは別に必要になった、「生活を続けるための出費」でした。

治療費以外にも、生活を続けるための出費が少しずつ積み重なっていきました。
ひとつひとつを切り取れば、日常の延長にある出費かもしれません。
でも、思うように仕事ができず、収入が不安定になる中で、次々と押し寄せるこれらの出費は、想像以上に私の心を圧迫していきました。
「がん保険には入っているけれど、これだけで足りるのかしら……」
最初はそんな不安もありました。
実際に給付金という形でまとまったサポートを受け取った時、真っ先に感じたのは、
「これで、今の自分に必要なものを我慢しなくていいんだ」
という安堵感でした。
お金の心配を一旦脇に置けたことで、治療に向き合う気持ちを少し保てたことを、今でも覚えています。
今回は、私個人の体験として、「がん治療中に保険が支えになった3つの場面」をお話しします。
❶ 交通費:体力を守るために「移動手段」を選べるゆとり

満員電車で立っていることさえ、あの時は大きな挑戦だったんです。
抗がん剤治療や放射線治療が始まると、病院へ通うこと自体がひと仕事になります。
特に抗がん剤の投与後は、体に強いだるさや、ふらつきを感じることもありました。
そんな時、一番辛かったのは「公共交通機関での移動」です。
混雑した車内で立っていなければならない状況や、駅の階段の上り下り。
普段なら何てことのない移動が、治療中の体には大きな負担となり、時には「無事に家に帰り着けるかしら」と不安になることもありました。
だからこそ私は、無理をせず「タクシーを使う」という選択をしました。

タクシー代は、私にとって体力を守るために必要な出費でした。
- 1回の通院で約5,000円。
- 週に何度か続けば、それだけで1万円、2万円という出費に。
家計を考えれば、決して小さくない金額です。
けれど、がん保険の給付金という備えがあったからこそ、
「今は体力を優先していいんだ」
と、自分に許可を出すことができました。
治療費とは別に、「病院にたどり着き、無理なく帰宅するための費用」が必要になる。
その時の私にとってタクシー代は、単なる移動費ではなく、体調を優先するために必要な出費だったのだと感じています。
❷ ウィッグ代:自分らしさを守るために必要だった出費

鏡を見るのが怖くなった私を、外の世界へ連れ戻してくれたもののひとつが、ウィッグでした。

ウィッグは、外見だけでなく心を支えてくれる大切な存在でした。
抗がん剤治療が始まってしばらく経った頃、髪の毛が少しずつ抜け始めました。
いつかその日が来ると覚悟はしていましたが、実際に排水口に溜まる髪や、枕についた髪を目の当たりにすると、言葉にできないほどの喪失感に襲われました。
「病気を治すためだから」
そう自分に言い聞かせても、鏡に映る自分の姿を受け入れるのは簡単ではありませんでした。
外出しても人の目が気になり、ふさぎ込みがちになっていた私を支えてくれたのが、医療用ウィッグでした。
私が選んだのは、見た目の自然さだけでなく、フィット感や通気性にもこだわった約15万円のものです。
「ウィッグに15万円……」
最初は、正直とても迷いました。
でも、この出費は私にとって、単なる「髪型の代用品」を購入することではありませんでした。
「自分らしくありたい」
「少しでも前を向いて治療に向き合いたい」
そんな気持ちを支えてくれる、心を守るための選択だったのだと思います。
がん保険の給付金があったことで、必要だと思うものを選ぶ時に、少し気持ちの余裕を持つことができました。
納得のいく選択ができたことで、外見だけでなく、心の安定も少し守られていたように思います。
あの時、自分をいたわる選択ができたことに、今でも感謝しています。

私が選んだ医療用ウィッグ。今もお手入れをして大切にしています
❸ 食事・栄養補助食品:体調に合わせて食事を整えるための出費
「しっかり食べて、体力を落とさないようにしましょう」

でも、実際には思うように食べられない日もありました。
だからこそ、食べられる時に、少しでも自分に合うものを選びたいと思うようになりました。
乳がんの治療中は、食欲が落ちたり、味覚が変わったりすることがありました。
体がだるくて、キッチンに立つことさえしんどい日もありました。
それでも、少しでも体力を落とさないようにしたいという思いがあり、日々の食事にはこれまで以上に気を配るようになりました。
以前の私は、スーパーで少しでも安い食材を選ぶことが多くありました。
でも治療中は、その時の体調に合わせながら、食べやすいものや、栄養をとりやすいものを選ぶようにしていました。
治療中に意識していた食事は、たとえば次のようなものです。
- 消化が良く、食べやすいもの
- 栄養をとりやすい食品
- 無理をしないためのお惣菜や冷凍食品
- 食欲がない時のための栄養補助食品やスムージー
- その時の体調に合わせて食べられるもの
栄養補助食品やスムージーを買う日が増え、普段より食費が高くなる月もありました。
自炊できない日はお惣菜や冷凍食品に頼ることが増え、節約よりも「食べられること」を優先しました。

治療中は、節約よりも「食べられること」を優先する場面がありました。
以前の私なら、
「少し高いかな」
「節約した方がいいかな」
と、ためらっていたかもしれません。
でも、治療中の私にとって一番大切だったのは、「食べられる時に、食べられるものを口にする」ことでした。
節約よりも体調を優先する。
そう決めるまでにも、私の中では小さな葛藤がありました。
この時、がん保険の給付金があったことで、食費を切り詰めることばかりを考えずに済みました。
もちろん、保険があったからすべての不安がなくなったわけではありません。
それでも、食べられるものを選びやすくなったことは、治療中の生活を支える大きな安心につながりました。
「ちゃんと栄養をとる」
その当たり前のことを続けるためにも、お金の備えは大切だったのだと、今振り返って感じています。

治療中は、体調に合わせて食べられるものを選ぶようにしていました。
さいごに:がん保険は「お金の備え」だけでなく「心の支え」でした

がん治療の道のりの中で、私は何度も「お金」という現実に直面しました。
治療そのものの費用だけでなく、通院のための交通費、体調に合わせて使ったタクシー代、医療用ウィッグ、食事や栄養補助食品など、治療費以外にもさまざまな出費がありました。
ひとつひとつは必要な出費でも、積み重なると大きな負担になります。
特に治療中は、体調の変化だけでなく、収入面への不安も重なり、お金のことを考える時間が増えていきました。
そんな中で、私にとってがん保険の給付金は大きな支えでした。
もちろん、保険があったからといって、不安がすべて消えたわけではありません。
- それでも、必要な時に必要なものを選べること。
- 体調に合わせて移動手段を選べること。
- 自分に合う医療用ウィッグを準備できたこと。
- 食べられるものを、少しでも安心して選べたこと。
そのひとつひとつが、治療中の私の心を支えてくれていたように思います。

保険の給付金は、治療費だけでなく生活と心を支える備えでもありました。
がん保険は、治療費のためだけのものではありませんでした。
私にとっては、治療中の生活と気持ちを守るための備えでもありました。
今の保障内容がよく分からない方や、長く見直していない方は、一度確認しておくと安心です。
無理に何かを決めるためではなく、まずは「今の自分にどんな備えがあるのか」を知ること。
それだけでも、もしもの時の不安を少し軽くしてくれるかもしれません。
今回は、給付金が実際にどんな場面で助けになったのかをお話ししました。
では、私が振り返って「がん保険に入っていてよかった」と感じたのは、どんな時だったのか。
次の記事では、私が実際に「がん保険に入っていてよかった」と感じた6つの場面をまとめています。
がん保険に入っていてよかったこと6選はこちら👇
この記事を書いた人
きゃんばぁば|乳がんサバイバー/家族の闘病サポーター
乳がんを経験。治療を経て、妹の膵がんや夫の食道がんを家族として支えた実体験をもとに、「患者と家族の視点」で記事を書いています。
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乳がんの経験や、夫の闘病を支えながら感じた日々の想いを発信しています。


