【第21話】乳がん放射線治療体験記!治療の流れや通院の苦労、辛かった副作用について綴ます…

手術/放射線治療

乳がんの放射線治療を受けてみた素直な感想

私が手術を受けたのは2014年3月12日。
そこから約50日後に、放射線治療がスタートしました。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

当時は「痛みのない治療なら大丈夫かも」と思っていましたが、抗がん剤や手術のダメージが残る中での毎日通院は、想像以上に大変でした。

乳がんの放射線治療ってなぜ必要なの?

放射線治療は、高エネルギーのX線を使ってがん細胞を攻撃する治療です。
乳がんでは、手術後の再発を防ぐ目的で行われることが多く、
「残っているかもしれない小さながん細胞」を照射して、再発リスクを減らします。

放射線治療が行われる主なケース
  • 乳房温存手術を受けた場合
  • リンパ節に転移があった場合
  • 病状によっては、全摘後にも照射を行うことがある
私の場合は乳房温存術を受けたため、再発予防として放射線治療を受けました。
放射線治療を受けるときの実際の治療室イメージ

当時の放射線治療では、リニアックという装置を使って体の外から高エネルギーX線を照射していました。

放射線治療のスケジュールと流れ

放射線医師の診察を受け、治療計画を立てたうえで治療が始まります。
スケジュールは次のような流れでした。

  • 月曜〜金曜:週5回通院
  • 土日は休み
  • これを5週間(計25回)継続

治療自体は短時間ですが、毎日決まった時間に通うことが負担に感じる日もありました。

放射線治療で通院していた病院の外観(イメージ)

通院は大変でしたが、スタッフの皆さんの支えが励みになりました。

10年前と今、放射線治療はどう変わった?

きゃんばぁば
きゃんばぁば

私が治療を受けたのは約10年前。

当時は「週5日×5〜6週間(25〜30回)」が標準で、体力的にも精神的にも大きな負担でした。

現在でも28回照射を受ける方は多いですが、
医療技術の進歩により、症状や状態に応じて短期照射(15回程度)を選択できるケースも増えています。

項目 約10年前 現在
照射回数・期間 25〜30回(5〜6週間) 15〜20回の短期照射も可能(症例による)
照射範囲 全乳房照射が主流 必要部位のみの「部分照射」も増加
技術 3次元照射(3D-CRT) 強度変調放射線治療(IMRT)・画像誘導照射(IGRT)など高精度化
通院負担 長期通院が必要 生活と両立しやすいスケジュールに改善
副作用対策 赤みや乾燥が出やすかった 照射精度向上で皮膚症状の軽減が進む

こうして比べてみると、放射線治療は同じ「がんを治すための手段」でも、
体へのやさしさが大きく進化していることを実感します。

ただし、照射の回数や期間は人によって異なり、「28回」「30回」などを行うことが今も標準的なケースです。

放射線を正確に当てるためのマーキング。

放射線を正確に当てるために、皮膚に目印(マーキング)をつけます。

治療が終わるまで消えないよう注意が必要ですが、薄くなった場合は病院で書き足してもらえます。

1回の治療時間は10分ほど:痛みもなし

照射自体は2〜3分程度
横になってじっとしているだけで終わるので、痛みはほとんどありません。

それでも、「毎日通う」ことが大変で、体力よりも気持ちの疲れが大きかったように感じます。

放射線治療のために通院していた病院の外来受付(イメージ)

小さな日常の繰り返しが、治療を支える時間だったように思います。

通院の日々は負担そのものでした。

「今日もまた病院か…」と気持ちが重くなる日もありました。
通院・待機・治療・帰宅——その繰り返しが、心にも体にも影響しました。

辛かった2つの副作用について

放射線治療の副作用には個人差がありますが、私の場合は「皮膚の炎症」と「強い倦怠感」がつらかったです。

私が経験した症状
  • 治療の10回目あたりから、照射部位に赤みと炎症が出始めました。

  • 午後になると、強い眠気と倦怠感に襲われることもありました。

副作用❶ 皮膚の乾燥と炎症

対策として行ったこと
  • 低刺激の保湿クリームを毎日使用(無香料・アルコールフリー)
  • 肌にやさしいコットン素材の衣類を選ぶ
  • こすらず洗い、熱いお湯は避ける

保湿を続けたことで水ぶくれは避けられましたが、赤みと乾燥は最後まで残りました。

副作用❷ 強い眠気と倦怠感

午後になると、強い眠気とだるさが襲ってきました。
帰宅後はベッドに倒れ込み、2時間ほど動けないことも。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「頑張らない」「眠いときは寝る」
そう割り切ることで、少しずつ体が回復していきました。

放射線は体に少しずつ蓄積していく治療です。
後半になるほど倦怠感が増すため、体調の波を受け入れることが大切だと感じました。

さいごに:放射線治療の副作用は早めの対策が大切

放射線治療は、今では技術的にも進化していますが、副作用は誰にでも起こる可能性があります。

私が学んだのは、「小さな変化でも、我慢せず早めに相談すること」。
それが回復を早め、治療を続ける力になるということです。

副作用は最初は軽くても、治療が進むにつれて強くなることもあります。

体の変化をよく観察し、少しでも違和感があれば早めに医師へ相談してください。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

放射線治療を受ける皆さん、
どうか頑張りすぎず、自分をいたわりながら乗り越えてくださいね。

Q&A:放射線治療でよくある疑問

Q1. 放射線治療って、どんな目的で行うの?
A. 手術後に体内へ残っているかもしれない「目に見えないがん細胞」を減らし再発を防ぐ目的で行われます。乳房温存術後に行うケースが多いですが、リンパ節転移や病状によっては全摘後にも照射されることがあります。
Q2. 放射線治療は痛いですか?
A. 放射線自体には痛みはありません。
ただし、治療を重ねるうちに皮膚の赤み・乾燥・倦怠感などの副作用が出ることがあります。
こうした変化は人それぞれなので、我慢せず早めに医師や看護師に伝えることが大切です。

Q3. 放射線治療の通院はどのくらい続きますか?
A. 多くの場合、平日週5日で4〜6週間(計20〜30回程度)が目安です。
最近では、放射線の照射精度が上がり、短期間で終わる治療法(短期照射)を導入している病院もあります。

Q4. 仕事や家事は続けられますか?
A. 体調次第では続けることも可能ですが、倦怠感や眠気が出やすくなるため、無理せず休みを取りながら進めるのが理想です。
「休むのも治療の一部」と考え、体のサインに合わせて調整しましょう。

Q5. 放射線治療後に気をつけることは?
A. 皮膚を強くこすらず、保湿と日焼け対策を意識することが大切です。
疲れを感じやすい時期なので、睡眠・食事・軽い運動など、体を労る時間を優先してください。

Q6. 10年前と比べて、今の放射線治療はどう違う?
A. 技術が大きく進化しています。
照射位置をより正確にコントロールできる装置や、正常な組織への影響を減らす技術(IMRTなど)が普及し、副作用のリスクは以前より軽減されています。
それでも個人差はあるため、気になる症状は早めに相談することが大切です。

本記事は、筆者が実際に乳がんの放射線治療を受けた体験をもとに執筆しています。
内容は個人の経験と一般的な情報の共有であり、特定の治療・薬剤・医療機関を推奨するものではありません。症状や治療方針については、必ず主治医や医療スタッフにご相談ください。
また、医学の進歩や制度の変更により、最新の情報とは異なる場合があります。


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この記事を書いた人
きゃんばぁば|乳がんサバイバー/家族の闘病サポーター
乳がんを経験し根治。妹の膵がん、夫の食道がんを家族として支えた実体験をもとに「患者と家族、両方の視点」で発信しています。
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