乳がんの放射線治療を終えたあと、私は放射線肺臓炎を発症しました。
その後も肺の病気の再燃を繰り返し、現在までステロイドによる治療を続けています。
再燃したときにはステロイドを増量し、その後、少しずつ減量してきました。
副作用への不安はありましたが、私の場合は肺の病気を抑えるために、治療を続ける必要がありました。
その治療と一緒に、骨への影響について説明を受け、その対策としてビタミンD製剤が処方されたと記憶しています。
飲み始めたのは2014年頃です。2026年現在まで、約12年間服用を続けています。
なお、この記事でいうビタミンD製剤は、医師が治療目的で処方した薬です。
市販のビタミンDサプリメントとは種類や使用目的が異なる場合があるため、分けて書いています。
最近受けた骨密度検査では、主治医から「骨密度はかなり若い」と説明を受けました。
長くステロイドを服用してきたため、その言葉を聞いたときは安心しました。
この記事では、ステロイド治療とともにビタミンD製剤を飲み始めた経緯、約12年間続けてきた毎朝の習慣、骨密度検査で感じたこと、そしてビタミンDと乳がんについて考えたことを振り返ります。

約12年の服用は、通院だけでなく日々の暮らしの中で続いてきました。
ステロイド治療に伴う骨への影響に備えることになった
私がビタミンD製剤を飲み始めた理由は、乳がんの再発予防ではありません。
ステロイド治療による骨への影響に備えるためです。
私の肺の病気は、ステロイドを減らしていく途中で再燃したことが何度かありました。
再燃したときには量を増やし、その後また少しずつ減らすという治療を繰り返してきました。
主治医からは、ステロイドには副作用がある一方、私の場合は治療を続ける必要があること、副作用のリスクと服用する必要性を比べながら治療を決めていることについて説明を受けた記憶があります。
骨への影響についても説明があり、その対策としてビタミンD製剤が処方されたと記憶しています。
長期間ステロイドを使う場合は、年齢、使用量、使用期間、骨密度、骨折歴などを踏まえて、必要な検査や対策が検討されます。すべての人が私と同じ治療になるわけではありません。
当時の私は、ビタミンD製剤について細かいところまで理解していたわけではありません。

ただ、私には必要な治療なのだと思い、主治医の指示どおり服用を始めました。

副作用への不安があっても、必要な治療として受け止めていく時間でした。
2014年頃から、毎朝の習慣として服用を続けている
ビタミンD製剤は、2014年頃から現在まで、朝食後に服用しています。
約12年間、飲み忘れた記憶はありません。
薬はキッチンの近くに置いています。
朝食を終えたら、そのまま飲むのが毎朝の流れです。
続けるために特別な工夫をしているという感覚はありません。
朝起きて食事をし、薬を飲む。
長く続けるうちに、毎日の生活の中へ自然に組み込まれていきました。

続けるために頑張るというより、暮らしの中に自然と定着していきました。
骨密度検査で「かなり若い」と聞き、ほっとした
私は、振り返ると2年に1回くらいの間隔で骨密度検査を受けています。
ただし、検査の頻度が決まっているわけではありません。
最近も、久しぶりに検査を受けました。
測定した部位や詳しい数値は覚えていません。

長く治療を続けているからこそ、骨の状態を確認する機会も大切にしています。
覚えているのは、結果を見た主治医から「骨密度はかなり若い」と説明されたことです。

長期間ステロイドを服用しているため、骨への影響はずっと気になっていました。
その説明を聞き、私は現在の骨の状態について、大きな心配はないのだと受け止め、安心しました。
もちろん、今の骨密度がビタミンD製剤だけによって保たれたとは考えていません。
骨の状態には、治療内容だけでなく、食事、運動、体質、年齢など、さまざまな要素が関係します。
また、骨密度は骨の状態を判断する材料のひとつです。
ステロイド治療では、骨密度が正常でも骨折することがあるため、検査結果だけで骨折リスクがないとは判断できません。
検査結果が良かったから治療や検査をやめてよい、ということでもありません。
これからも主治医と相談しながら、必要な治療と検査を続けていきたいと思っています。
服用を続けながら、散歩で日光に当たる習慣も取り入れてきた
処方されたビタミンD製剤を続ける一方で、私は散歩などで無理のない範囲で日光に当たることも意識してきました。
これは治療の代わりではなく、自分にできることのひとつとして続けている個人的な習慣です。

処方された治療を続けながら、自分にできることも暮らしの中に取り入れてきました。
チワワのトイとの散歩では、足首に日光を当てている
以前、本で「体の一部に日光が当たると、皮膚でビタミンDが作られる」という内容を読んだ記憶があります。
それをきっかけに、外を歩くときは無理のない範囲で日光に当たることを意識するようになりました。
顔や腕ではなく足首を出しているのは、美容面も考えた私なりの方法です。
特に、チワワのトイと散歩するときに意識しています。

トイとの散歩は、体にも心にもやさしい毎日の時間です
トイとの散歩は20分ほどです。散歩に行けない日は、近所への買い物などで歩くようにしています。
ただし、これは主治医から勧められた方法ではなく、私個人の習慣です。
私が足首を出して日光に当たる方法や、散歩の時間を、すべての方へおすすめするものではありません。
日光によるビタミンDの生成には、季節や時間帯、肌の状態などさまざまな要因が関係し、紫外線の浴びすぎには注意が必要です。
日光に当たることを、処方された薬や治療の代わりにしているわけでもありません。
主治医から処方された治療は続けたうえで、日常生活の中で自分なりに取り入れています。
YouTubeをきっかけに、ビタミンDと乳がんについて考えた
ビタミンDとがんの関係に関心を持ったきっかけは、自分で論文を探したことではありません。
たまたまYouTubeで、医師がビタミンDとがんについて説明している動画を見たことでした。
そのとき、「私は骨を守るために長く服用してきたけれど、ビタミンDにはほかにもいろいろな働きがあるのだな」と感じました。

きっかけは偶然でも、長く続けてきたことの意味を見直す時間になりました。
私はトリプルネガティブ乳がんだったため、治療後には再発への不安が強い時期もありました。
そのため、

「長く続けてきたことも、何か良い方向に働いていたのかな」
と思ったことはあります。
しかし、血液中のビタミンDの状態と乳がん治療後の経過に関連がみられた研究があることと、ビタミンDを服用すれば乳がんの再発を防げることは別です。
現時点では、ビタミンDのサプリメントによって乳がん治療後の経過が良くなるという効果は確認されていません。
(参考:World Cancer Research Fund ※英語サイト)
私が乳がんを再発せずに過ごしてきたことと、約12年間の服用を直接結びつけることはできません。
私にとってのビタミンD製剤は、あくまでステロイド治療による骨への影響に備えるために、主治医のもとで続けている治療です。
ビタミンD製剤について気になったこと【Q&A】
ここでは、私自身が服用を続ける中で気になったことを、体験と確認できた一般情報に分けて整理します。
私が受けている治療が、すべての人にそのまま当てはまるわけではありません。

体験談と一般的な情報は、分けて考えることが大切だと感じました。
Q. ステロイド治療をしている人は、みんなビタミンD製剤が必要ですか?
A. すべての人が、私と同じようにビタミンD製剤を服用するわけではありません。
ステロイドによる骨への影響を考えるときは、年齢、ステロイドの量・使用期間、骨密度、骨折歴などを踏まえて、必要な検査や対策が検討されます。
私の場合は、主治医から骨への影響について説明を受け、処方されたビタミンD製剤を服用しています。

同じステロイド治療でも、必要な対策は一人ひとり違います。
Q. ビタミンDを服用すると、乳がんの再発予防になりますか?
A. 現時点では、ビタミンDを服用すれば乳がんの再発を予防できる、という効果は確立していません。
ビタミンDの状態と乳がん治療後の経過との関連を調べた研究はありますが、関連があることと、服用によって再発を防げることは同じではありません。
私は、再発しなかった理由とビタミンD製剤を直接結びつけて考えてはいません。

「気になること」と「言い切れること」は、同じではないと感じています。
Q. ビタミンD製剤を長く服用するときに、確認しておくことはありますか?
A. 処方されるビタミンD製剤では、血液中のカルシウム値や腎機能などを定期的に確認しながら服用する必要がある場合があります。
必要な検査や確認の頻度は、薬の種類や体の状態によって異なります。
長く服用している場合でも自己判断で中止せず、検査について気になることがあれば、主治医や薬剤師に確認してください。

長く続ける薬だからこそ、分からないことは確認しながら進めたいです。
(参考:アルファカルシドール製剤の一例として、PMDA「ワンアルファ錠」の電子添文)
Q. 市販のビタミンDサプリメントを追加してもいいですか?
A. 私は、主治医から処方されたビタミンD製剤に、市販のサプリメントを自己判断で追加していません。
医師が治療目的で処方するビタミンD製剤と、市販のサプリメントでは、種類、量、使用目的が異なる場合があります。
すでに薬を服用している方や、サプリメントを取り入れたい方は、自己判断で追加せず、主治医や薬剤師に確認することが大切です。

同じ「ビタミンD」でも、薬とサプリは同じようには考えられません。
約12年間続けて感じたのは、治療を自分の生活に組み込むことの大切さ
約12年間の服用を振り返って、私が一番感じているのは、目に見える特別な効果ではありません。
主治医の説明を聞き、骨密度検査を受けながら、自分に必要な治療を毎日の生活に組み込んできた、その積み重ねです。

特別なことよりも、毎日続けてきたことが今につながっているのかもしれません。
副作用への不安はありますが、肺の病気の再燃を繰り返した経験から、私の場合は、再燃を繰り返すよりも、主治医と相談しながら必要な量のステロイドを服用していく方がよいと考えています。
一方で、治療への考え方は医師によって異なることもあります。
治療について迷いや疑問がある場合は、まず主治医に質問することが大切だと思います。
それでも迷いが残るときは、セカンドオピニオンで別の医師の意見を聞くことも、選択肢のひとつだと思います。
これは、すべての方にセカンドオピニオンを勧めるという意味ではありません。
自分が納得して治療を続けるために、必要に応じて医師と話し合ったり、別の意見を聞いたりすることも大切だと、私は経験を通して感じています。
そして、長い治療を続ける中で大切だったのは、体のことだけではありませんでした。
乳がん治療中は、不安になったり、気持ちが落ち込んだり、何度も心が折れそうになりました。
そんなとき、私は深呼吸をしたり、自分を褒めたり、好きなことをして気持ちを切り替えたりしながら、自分なりに心を整える方法を少しずつ見つけてきました。
次の記事では、私が「心の筋トレ」と考えて続けてきた、6つの習慣について振り返ります。
心を整える習慣についての記事:↓
医学情報の確認に使用した主な資料
- 日本骨代謝学会|グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症について
- World Cancer Research Fund|Breast cancer survivors research ※英語サイト
- 厚生労働省eJIM|ビタミンD
- PMDA|ワンアルファ錠の電子添文(アルファカルシドール製剤の参考資料)

体験として書けることと、資料で確認することを分けて整理しました。
関連リンク
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