【第51話】ちょっとだけなら大丈夫?乳がんとアルコールの関係、知っておきたいリスクと予防法

治療中
本記事は筆者(乳がん経験者)の体験と、国立がん研究センターなど公的機関のデータをもとに執筆しています。
医療的判断や治療方針の決定は、必ず主治医とご相談ください。

アルコール、あなたは「ちょっとだけなら」と思っていませんか?

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「ちょっとだけだから」「週に2〜3回だけだし」「飲まなきゃやってられない日もあるよね」

そんな風にお酒と付き合っていませんか?

私も、かつてはそうでした。

1日の終わりの晩酌が、頑張った1日のごほうび。週末には友人たちとバーベキューで乾杯するのが楽しみでした。

でも、ある日右胸に小さなしこりを見つけ、その後の検査で「乳がん」と診断され、思いもよらぬ現実と向き合うことになりました。

ちょっとだけ」が積み重なり、乳がんのリスクが上がる可能性がある…。その事実を知ったのは、診断を受けてからのことでした。

あの頃は気づけなかっただけ〜乳がんと診断されるまでの私の生活習慣

きゃんばぁば
きゃんばぁば

その頃の私は、子育てや仕事に追われる毎日。

1日の終わりに飲む缶ビール1本が、ささやかなご褒美でした。週末は友人たちと笑いながら過ごす時間が、何よりの気分転換。


けれど今思えば、その“ちょっとした習慣”が、知らず知らずのうちに
自分の体に負担をかけていたのかもしれません。

自宅で飲み会の写真

週末になると友人と自宅で飲み会をよくしていました

きゃんばぁば
きゃんばぁば

あの頃の私は「健康診断が大丈夫なら安心」と思っていました。

けれど本当のリスクは、日常の中に静かに潜んでいたのです。

乳がん検診や子宮がん検診も、毎年欠かさず受けて、結果はいつも「異常なし」。
だから私は「自分は健康」だと、どこか安心していたのだと思います。

缶ビール1本くらいなら大丈夫。そう信じて、お酒との付き合いを続けていました。

でも今になって思うのです。

アルコールが体にどんな影響を与えるのか、特に女性にとってどんなリスクがあるのかを、
私は何も知らなかったのだと。

気づかないうちに「飲酒をストレス解消の手段にしてしまう」
そんな悪循環を、自分で作り出していたのかもしれません。

アルコールと乳がんリスクの関係、データで見る4つのポイント

ここでは、国立がん研究センターなどの信頼できるデータをもとに、
飲酒と乳がんリスクの関係を4つのポイントでわかりやすくまとめました。

❶国立がんセンターのデータ

国立がん研究センターの発表によると、飲酒は乳がんのリスクを高める要因の一つとされています。

調査では、1日に日本酒1合(約23gの純アルコール)を摂取する女性は、飲間ない女性に比べて乳がんのリスクが、約40%高くなるという結果が出ています。

また、国際がん研究機関(IARC)や世界保健機関(WHO)もアルコールを「確実な発がん物質」に分類しており、乳がんを含む複数のがんとの関連が指摘されています。

❷1日どのくらいでリスクが上がるの?

きゃんばぁば
きゃんばぁば

アルコールの摂取量が増えるほど、乳がんリスクは上昇します。

研究によると、純アルコール10g(おおよそビール中瓶1/2本)を毎日摂取するだけでも、乳がんのリスクが7〜10%増加すると報告されています。

つまり「たった1杯でもリスクはゼロではないということです。

❸安全な量はあるの?

きゃんばぁば
きゃんばぁば

多くの人が気になるのが「どれくらいなら大丈夫なの?」という疑問だと思います。

しかし、現時点では完全に安全とされる飲酒量はありません

医師や専門家の間でも見解はさまざまですが、多くのがん専門医が共通しているのは次の2点です。

🔹「量よりも“頻度”が問題」週に一度でも習慣化すればリスクは積み重なっていく。
🔹「少量でも、飲まない人よりリスクは上がる」

つまり、「たまに飲むだけだから大丈夫」と思っている人も、リスクはゼロではないということです。

❹それでも飲むなら知っておいてほしいこと

きゃんばぁば
きゃんばぁば

「もうお酒を一滴も飲んではいけない」というわけではありません。

ただ、少し意識を変えるだけでも、リスクを減らすことはできます。

できることから始めてみましょう

リスクを減らすために
  • 飲酒の頻度を減らす
    (週に1回以下を目安に)
  • 飲む量を見直す
    (1杯までを意識)
  • 「飲まない日(休肝日)」をつくる
  • お酒以外のストレス解消法を見つける

アルコールと乳がんの関係は、科学的にも明確なリスクがあることがわかっています。


だからこそ大切なのは、「知らなかった」ではなく「知ったうえで自分で選ぶこと」

その選択が、これからの自分の体を守ることにつながります。

さいごに:じゃあ、私たちはどうすればいいの?

乳がんとアルコールの関係を知ったとき、多くの人が思うのは

「じゃあ、お酒はもういっさいやめなきゃいけないの?」という不安かもしれません

きゃんばぁば
きゃんばぁば

私も最初はそうでした。

でも今は思うのです。
無理に禁酒する必要はないけれど「知った上で選ぶことが大切」が大切だと。

日々の生活で意識すること
  • 飲酒の習慣を見直す
  • お酒以外のストレス解消法を見つける
  • 定期的ながん検診を欠かさない

お酒を楽しむことも、リラックスすることも、人生の中で大切な時間です。

でも、「知っている」ことで、体を守る選択ができるようになります。

そして何より…。
自分の体を大切にする時これからは少しだけ増やしていきましょう。

Q&A

Q1.「たまに飲むくらいなら大丈夫ですか?」
A. 「少量でもリスクはゼロではありません」と言われています。
飲酒の頻度や量が増えるほど、乳がんリスクも高まることが研究でわかっています。
週1回以下、1杯程度にとどめるなど“飲み方の見直し”が大切です。
Q2.「ノンアルコール飲料なら安全ですか?」
A. ノンアルコール飲料にも、ごく微量のアルコールが含まれている場合があります。
完全に避けたい方は、アルコール0.00%と明記されたものを選びましょう。
Q3.「乳がん治療中でも飲んでいいですか?」
A. 基本的には主治医と相談することが大切です。
治療薬の種類によってはアルコールが副作用を強める場合もあります。
「少しだけなら」と自己判断せず、医師に確認してからにしましょう。
Q4.「禁酒した方が良いですか?」
A. 無理に“絶対禁酒”をするより、「知ったうえで選ぶ」ことが大切です。
飲酒のリスクを理解したうえで、心と体に優しい選択をしていきましょう。

※本記事は、筆者自身の体験と調査をもとにまとめたものです。
医療に関する内容は一般的な情報であり、すべての方に当てはまるとは限りません。
治療方針やお薬の使用については、必ず主治医などの専門医にご相談ください。

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👉 第1話 夫が食道がんと告げられて〜ステージ1を信じてしまった私の後悔
👉 第2話 夫の食道がんと向き合って〜「どう生きたいか」を初めて語り合った夜
👉 第3話 治療方針が変わった日〜病院の中で見えた「見えない壁」

※それぞれ単体でも読めますが、順番に読むと「夫婦で病と向き合う物語」としてつながります。

この記事を書いた人
きゃんばぁば|乳がんサバイバー/家族の闘病サポーター
乳がんを経験し完治。妹の膵がんや夫の食道がんを家族として支えた実体験をもとに、
「患者と家族の視点」で記事を書いています。
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