アルコール、あなたは「ちょっとだけなら」と思っていませんか?

「ちょっとだけだから」「週に2〜3回だけだし」「飲まなきゃやってられない日もあるよね」
そんな風にお酒と付き合っていませんか?
私も、かつてはそうでした。
1日の終わりの晩酌が、頑張った1日のごほうび。週末には友人たちとバーベキューで乾杯するのが楽しみでした。
でも、ある日右胸に小さなしこりを見つけ、その後の検査で「乳がん」と診断され、思いもよらぬ現実と向き合うことになりました。
「ちょっとだけ」が積み重なり、乳がんのリスクが上がる可能性がある…。その事実を知ったのは、診断を受けてからのことでした。
あの頃は気づけなかっただけ〜乳がんと診断されるまでの私の生活習慣

その頃の私は、子育てや仕事に追われる毎日。
1日の終わりに飲む缶ビール1本が、ささやかなご褒美でした。週末は友人たちと笑いながら過ごす時間が、何よりの気分転換。
けれど今思えば、その“ちょっとした習慣”が、知らず知らずのうちに
自分の体に負担をかけていたのかもしれません。

週末になると友人と自宅で飲み会をよくしていました

あの頃の私は「健康診断が大丈夫なら安心」と思っていました。
けれど本当のリスクは、日常の中に静かに潜んでいたのです。
乳がん検診や子宮がん検診も、毎年欠かさず受けて、結果はいつも「異常なし」。
だから私は「自分は健康」だと、どこか安心していたのだと思います。
缶ビール1本くらいなら大丈夫。そう信じて、お酒との付き合いを続けていました。
でも今になって思うのです。
アルコールが体にどんな影響を与えるのか、特に女性にとってどんなリスクがあるのかを、
私は何も知らなかったのだと。
気づかないうちに「飲酒をストレス解消の手段にしてしまう」
そんな悪循環を、自分で作り出していたのかもしれません。
アルコールと乳がんリスクの関係、データで見る4つのポイント
ここでは、国立がん研究センターなどの信頼できるデータをもとに、
飲酒と乳がんリスクの関係を4つのポイントでわかりやすくまとめました。
❶国立がんセンターのデータ
国立がん研究センターの発表によると、飲酒は乳がんのリスクを高める要因の一つとされています。
調査では、1日に日本酒1合(約23gの純アルコール)を摂取する女性は、飲間ない女性に比べて乳がんのリスクが、約40%高くなるという結果が出ています。
また、国際がん研究機関(IARC)や世界保健機関(WHO)もアルコールを「確実な発がん物質」に分類しており、乳がんを含む複数のがんとの関連が指摘されています。
❷1日どのくらいでリスクが上がるの?

アルコールの摂取量が増えるほど、乳がんリスクは上昇します。
研究によると、純アルコール10g(おおよそビール中瓶1/2本)を毎日摂取するだけでも、乳がんのリスクが7〜10%増加すると報告されています。
つまり「たった1杯」でもリスクはゼロではないということです。
❸安全な量はあるの?

多くの人が気になるのが「どれくらいなら大丈夫なの?」という疑問だと思います。
しかし、現時点では完全に安全とされる飲酒量はありません。
医師や専門家の間でも見解はさまざまですが、多くのがん専門医が共通しているのは次の2点です。
🔹「少量でも、飲まない人よりリスクは上がる」
つまり、「たまに飲むだけだから大丈夫」と思っている人も、リスクはゼロではないということです。
❹それでも飲むなら知っておいてほしいこと

「もうお酒を一滴も飲んではいけない」というわけではありません。
ただ、少し意識を変えるだけでも、リスクを減らすことはできます。
できることから始めてみましょう
- 飲酒の頻度を減らす
(週に1回以下を目安に) - 飲む量を見直す
(1杯までを意識) - 「飲まない日(休肝日)」をつくる
- お酒以外のストレス解消法を見つける
アルコールと乳がんの関係は、科学的にも明確なリスクがあることがわかっています。
だからこそ大切なのは、「知らなかった」ではなく「知ったうえで自分で選ぶこと」
その選択が、これからの自分の体を守ることにつながります。
さいごに:じゃあ、私たちはどうすればいいの?
乳がんとアルコールの関係を知ったとき、多くの人が思うのは
「じゃあ、お酒はもういっさいやめなきゃいけないの?」という不安かもしれません

私も最初はそうでした。
でも今は思うのです。
無理に禁酒する必要はないけれど「知った上で選ぶことが大切」が大切だと。
- 飲酒の習慣を見直す
- お酒以外のストレス解消法を見つける
- 定期的ながん検診を欠かさない
お酒を楽しむことも、リラックスすることも、人生の中で大切な時間です。
でも、「知っている」ことで、体を守る選択ができるようになります。
そして何より…。
自分の体を大切にする時を、これからは少しだけ増やしていきましょう。
Q&A
A. 「少量でもリスクはゼロではありません」と言われています。
飲酒の頻度や量が増えるほど、乳がんリスクも高まることが研究でわかっています。
週1回以下、1杯程度にとどめるなど“飲み方の見直し”が大切です。
A. ノンアルコール飲料にも、ごく微量のアルコールが含まれている場合があります。
完全に避けたい方は、アルコール0.00%と明記されたものを選びましょう。
A. 基本的には主治医と相談することが大切です。
治療薬の種類によってはアルコールが副作用を強める場合もあります。
「少しだけなら」と自己判断せず、医師に確認してからにしましょう。
A. 無理に“絶対禁酒”をするより、「知ったうえで選ぶ」ことが大切です。
飲酒のリスクを理解したうえで、心と体に優しい選択をしていきましょう。
続きの記事はこちらから↓
🔗関連リンク
👉 Instagramはこちら
乳がんの経験や、夫の闘病を支えながら感じた日々の想いを発信しています。
→ Instagram
note有料シリーズ
👉 第1話 夫が食道がんと告げられて〜ステージ1を信じてしまった私の後悔
👉 第2話 夫の食道がんと向き合って〜「どう生きたいか」を初めて語り合った夜
👉 第3話 治療方針が変わった日〜病院の中で見えた「見えない壁」
※それぞれ単体でも読めますが、順番に読むと「夫婦で病と向き合う物語」としてつながります。
きゃんばぁば|乳がんサバイバー/家族の闘病サポーター
乳がんを経験し完治。妹の膵がんや夫の食道がんを家族として支えた実体験をもとに、
「患者と家族の視点」で記事を書いています。
👉 詳しいプロフィールはこちら


