もうすぐ「乳がん完治」から一年が経とうとしています。これを機に、私が乳がん治療で一番辛かった経験についてお話しします。パクリタキセルという抗がん剤の後に行われた「FEC療法」を受けたときのことです。
「FEC療法」は副作用がとてもに辛く、治療を続けることはできないと思うほどでした。2回目の投与が始まる前に担当医に「副作用が辛すぎて治療をやめたい」と伝えたほどです。
そのとき、すぐにエコー検査(超音波検査)が行われ担当医から「がんが消滅している可能性がある」と説明を受けました。
そして「一緒に最後まで治療頑張りましょう」と励ましていただき、その言葉に背中を押され最後まで治療を続けることができました。
この記事では抗がん剤「FEC」の治療内容や副作用、薬の詳細について詳しくお伝えしています。
同じ治療で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです、ぜひ最後までお読みください。
トリプルネガティブ乳がん:初期治療の重要性
10年前のトリプルネガティブ乳がんの治療は抗がん剤のみでした。当時、主治医から「抗がん剤が聞かなければ再発の可能性か高いでしょう」と説明を受け、初期治療でがんを消滅させることが何よりも重要だと感じました。
このタイプのがんは再発率がもともと高いため、抗がん剤の効果を最大限に引き出すことが大切です。私は情報収集をしながら、治療成果を上げるために自分でも積極的に取り組むことを決意しました。治療を「受ける」のではなく「治療に主体的に取り組む」ことが成功への鍵だと考えたからです。
抗がん剤の効果を高めるために実践したこと
1.毎日笑顔を心がける
主治医から「笑顔でいることが大切です。」とアドバイスを受けていたため、どんな時も笑顔でいるよう心がけました。(作り笑いでもOK)
2.体温を上げる
自宅で温活を実践しました
- 就寝1時間半前に全身浴をする。
- 生姜湯を飲む
- 適度な運動で筋肉をつける
3.睡眠の質を上げる
- 朝起きたらすぐに太陽を浴びて体内時計をリセット
- 就寝数時間前からネットを使わない、照明を暗めに設定しておく
- 考え事をさけ、リラックスを心がける
4.ストレッチを行う
湯船に浸かりながら足首、手首、首をそれぞれ10回回して血流を促進。抗がん剤が身体中に行き渡るように工夫しました。
5.食事の改善
- 毎朝、人参、小松菜、りんご、はちみつを使ったスムージーを飲む。
- 和食中心の食事を心がけた。
- 甘いものや小麦粉、添加物は控えた。
これらの取り組みが抗がん剤の効果を直接高めたかどうかはわかりませんが、結果的に「FEC療法」の後私のがんは消滅しました。この経験が治療中の方にとって少しでも参考になれば嬉しいです。
「FEC療法」について
FEC療法とは3つの薬剤の頭文字をとったもので「FEC」とは3つ異なった薬を順番に投与する療法です。
F:フルオロウラシル、E:エピルビシン、C:シクロホスファミド
F:フルオロウラシル
拡散の合成を妨げる抗がん剤で、がん細胞の分裂と増殖を抑える効果があります。
消化器系や乳がん治療に使用されます
E:エピルビシン
アントラサイクル系抗がん剤で、DNAの複製を妨ぎ、がん細胞を死滅させる効果があります
強力な抗がん剤効果が期待される一方で、心臓への負担など副作用のリスクもあります。
C:シクロホスファミド
アルキル化剤という種類の薬剤で、DNAを損傷させ、がん細胞の増殖を抑える効果があります。
広範囲のがん治療に使われる薬です。
「FEC」療法は主に乳がんを含む特定のがん治療に使われる抗がん剤です
投与方法
この治療は点滴で行われ
1サイクルが21日間で私は4回投与を受けました。
通常は1回目は副作用がどの程度出るかを確認するために入院し、残りの3回は外来で行われるのが一般的です
でも私の場合は副作用が強く出てしまったため…抗がん剤が体に入ると食べたりの飲だりできなくなり、しばらくて立ち上がることも難しい状態に…そのため4回全ての治療を入院して行われることになりました。
副作用など
「FEC」主な副作用
- 脱毛:一時的に髪の毛が抜けることがあります。
- 疲労感:全身にだるさを感じる場合があります。
- 消化器系症状:吐き気・食欲不振・味覚障害があります。
- 骨髄抑制:白血球・赤血球・血小板が減少し、感染症や出血のリスクが増加
- 心臓毒性:エピルビシンの影響で、心臓に負担がかかることがあります。
「FEC療法」はよく効くと言われていますが副作用がきつく出る場合があります
私の場合は筋肉痛や食欲不振、味覚障害が強くて、投与と同時に食べることも飲むこともできなくなったため入院してFEC療法が行われました。
「FEC療法」の効果と感謝の思い
「FEC療法」は辛い治療でしたが、確かな効果を実感できました。
治療は2回目の投与で入院中、治療の辛さから「治療をやめたいと」と担当医に伝えました。
そのとき、担当医はエコー検査(超音波検査)をしてくださり「がんがなくなっている可能性があります」と教えてくださいました。
そして「最後まで治療を一緒に頑張りましょう」と励ましてくださり、その言葉に勇気づけられ、治療を最後まで続ける決心がつきました。
術前抗がん剤で効果を確認できたことが治療を続ける励みにもなりました。
治療の結果、がんは消滅し10年後の今も再発することなく過ごせています。
パクリタキセルと「FEC」の二つ抗がん剤を組む合わせた療法が私のがんによく効いてくれました。
医療チームのサポートがあったから乗り越えられた
この治療を続けることができたのは、医療チームのサポートのおかげです。
FEC療法の入院中、副作用で苦しむ私に、医療チームはあらゆる面で寄り添ってくれました。
励ましの言葉、適切な処置、副作用を少しでも和らげる工夫など、どれも治療を続けるための大きな支えとなりました。
痛みがある時は体をさすってくれたり、冷却剤を持ってきてくれたり、飲み物を工夫して用意してくれたりと細やかな心遣いを感じました。
特に「治療を辞めたい」と訴えたときに敏速にエコー検査(超音波検査)をしてくださり「がんが消滅している」と確認してもらえたことは私の大きな励みになりました。
このチームに出会えたことで私の未来は大きく変わったと心から感謝しています。
注)副作用の強さと抗がん剤の効果の高さは直接的に関係があるわけではありません。
乳がんについて学んでよかっこと
がんの治療を始める前にトリプルネガティブ乳がんについて学び、主治医や医療チームを信頼して術前抗がん剤治療を選んだことは、38%という低い成功率にかけた正しい判断だったと思います。
治療にあたり、自分自身が治療に主体的に関わり、抗がん剤の効果を最大限に活かすために情報収集し、実践を重ねたその努力が実を結んだのかなと感じています。
抗がん剤治療には、副作用による心身の負担が伴います。トリプルネガティブ乳がんは初期治療が重要なためここに全力をそそぐことは大切だと考えています。
そのためにも医療チームと協力して治療に向き合う姿勢が、治療の成功へとつながるのだと思います。
注)この記事は筆者の個人的な経験に基づいて記述されています。治療法に関しては、必ず主治医に相談ください。
術前抗がん剤を選んでよかった!きゃんばぁば