「トリプルネガティブ乳がん」完治ブログ〜告知から手術成功までの体験談

10年前、突然「トリプルネガティブ乳がん」の告知を受けました。

乳がんというだけでもショックなのに、診断結果は最悪なタイプと言われる、まさかの「トリプルネガティブ乳がん」

当時の私はまだ50代で、大学生と高校生の息子を育てている最中。頭が真っ白になり不安でいっぱいになりました。

そんな私を救ってくれたのは、38%の確率で完治できるという情報でした。

この記事では、乳がん告知や治療、手術を経て完治するまでの心の変化。
再発や転移の恐怖など、患者目線で感じた体験談をまとめています。

私が乳がんにかかった10年前は、16人に1人が乳がんになる時代。

そして現在は9人に1人が乳がんになると言われています。

🔲これから治療法を決定する方
🔲家族が乳がんだと告知された方
🔲手術や化学療法、薬物療法を控えている方
🔲抗がん剤の副作用や術後の予後が気になる方

そんな皆さまの、参考になれば嬉しく思います。

目次

恐怖のがん告知

告知を受けた日〜治療が始まるまで

2013年6月、乳がんを疑いながら受診したクリニックではっきり「乳がん」だと告げられました。
告知を受けて絶望の淵に立たされた私。それ救ってくれたのが精神科医の先生の力でした。

乳がんを告げられ絶望の日々

クリニックを訪れたあの日、乳がんではないかと、はじめから疑っていました。でもいざ医師から、「乳がんです」といわれるのは、想像していた以上の衝撃でした。私の未来が閉ざされて真っ暗になったような、深い絶望を感じました。

心のどこかで「陰性でした」そんな言葉を期待していたのかもしれません。
それから1ヶ月間は、心の中がネガティブな言葉でいっぱい。

「なぜ私が陽性なの?」
「何か悪いことした?」
「毎年検診受けていたのに…」
「治療して無駄かもしれない」
「周りのみんなは幸せそうでいいな」

何をしても楽しくない、笑えない、うつ状態でした。

それでも、何か情報を得ないと落ち着かず、「乳がん 生存率」「乳がん 手術」「乳がん完治」「乳がんステージ」「乳がん乳房切除術」などの言葉でネット検索を繰り返し、一喜一憂する日々。

その後、紹介された2軒目の病院へ行ったのですが、そこで乳がんの種類が「トリプルネガティブ乳がん」と診断され、絶望のどん底へ。

よりによって最悪なタイプだと言われている乳がんでした。ネットで知識をつけてしまったこともあり「リスクが高いのでは?」「進行が早いのでは?」という不安と恐怖がどんどん増していきました。

精神科医で気持ちが好転

乳がんで死んでしまうかもしれない。

そうなったら、子供や家族はどうなるのだろう。
考えても考えても答えは出ず、がん告知後は眠れない日々が続きました。

そこで、不安や恐怖がいっぱいなこと、まともに眠れていないことを乳腺外科の先生に相談したところ、精神科医の受診をすすめられました。

精神科の先生は、私の不安に優しく寄り添ってくれました。そして「今の辛さは心を守るために、正常な反応が起きている結果なんですよ」そう教えてくれました。

不安や恐怖は心を守るためのもの、と知って気持ちが楽になった私。より心を落ち着かせるために、不安を和らげる効果のある薬、睡眠薬を処方してもらい、ようやく眠れるようになりました。

精神科での診察と薬に力が、暗闇の中にいた私を救ってくれました。

その後、乳がん治療に関する本をたくさん読み、「がんプラス」というサイトで「乳がん治療の方法は自分で選べる」という言葉に出会い、少しずつ気持ちが好転。考え方に変化が表れました。

私は治療に参加で選択できる。治療法だって選択できる。
この事実にかすかな光が見えた気がしたのです。

「よし、もっと乳がん療法について勉強しよう!」「セカンドオピニオンを受けていろんな意見を聞いてみよう!」
そんな、前向きな気持ちが芽生えはじめました。

このように逃げきれない現実を前に、心が疲弊してしまっているときはメンタルサポートが力になります。

皆さまも、がん告知、がん治療で苦しくなったらひとりで抱え込まないで、精神科や心療内科を頼ってみてください。

心が辛い時は専門家のサポートを受けましょう

治療開始〜術前抗がん剤治療

前に進んでいくために、セカンドオピニオンを受けた結果、一緒に乳がん治療を進めていく主治医が決定しました。

セカンドオピニオンや主治医決定までの経緯いは、こちらの記事で解説していますので、参考にしてみてください。

 →乳がん治療…セカンドオピニオンを受けて主治医が決まるまで

診察や検査をして知った結果、乳がん手術を受ける前に術前抗がん剤治療を受けることになり「パクリタキセル」「FEC」での治療がスタート。

次にそれぞれの副作用、治療時不安だった点をご紹介します。

最初の抗がん剤パクリタキセル

主治医が決定して、「やっと治療がはじまる!」という喜びがありました。と同時に、これからはじまる抗がん剤治療への不安も増していき、複雑な気持ちになったのを覚えています。

そんな気持ちの中、スタートしたのが最初の抗がん剤「パクリタキセル」です。
毎週1回、全12回の投与がはじまりました。

術前抗がん剤は、がん細胞の増殖抑制、腫瘍の縮小、腫瘍の消滅、手術の成功率向上を目的に使用されます。目的を理解していたため、抗がん剤が身体へ入ることへの不安は少なかったのですが、本当に抗がん剤が効いているのか、という点が不安で不安でたまりませんでした。

なぜなら事前に主治医から「トリプルネガティブ乳がんの治療は、抗がん剤の効果がなければ予後が悪い」そう聞いていたからです。

投与後は当然副作用があり、
「こんなに頑張っているのに、治療効果がなかったらどうしよう」という気持ちに。さらに、覚悟はしていたものの実際に脱毛が始まると毎日涙が止まりませんでした。

私の場合「パクリタキセル」の6回目くらいで。髪の毛が完全に抜け落ち、味覚障害もありました。

それでも、まだ未来が見えず、現実逃避をするように読書にふけったり動画配信サービスを利用したりして過ごしていました。

そして3ヶ月間の「パクリタキセル」投与が終了。

良い成果につながってほしいと願い、結果を聞きに行ったのですが、主治医の口から言われたのは「少し薄くなっていますが、大きな変化はありません。」という言葉。

思わず大きなため息が出ました。辛い抗がん剤治療に耐えてきたのに、期待していたほどの効果は得らない現実。

それでも主治医は「次の抗がん剤で評価しますので、一緒に頑張りましょう!」と励ましてくださり「よし次も頑張ろう」と気持ちを新たにしました。

まだまだ続く術前抗がん剤治療。ポシティブに考えれる日もあればネガティブになってしまう日もあります。

メンタルが不安定だったこともあり、この頃は引き続きお薬に頼りながらの生活をしていました。

2番目の抗がん剤「FEC」

「パクリタキセル」の治療が終わった次は2番目の抗がん剤「FEC」の投与です。

この抗がん剤治療は入院をして受けたのですが、副作用があまりにも辛く、「もう治療を辞めたい」と心から思いました。

2回目の入院中、担当医に素直な気持ちを伝えたところ、エコー検査(超音波検査)を行ってくれました。

エコー画像を見ながら「がんが消滅してる可能性がありますよ。」と教えてくれたのです。 最初の抗がん剤「パクリタキセル」では、変化を感じれなかった私は、先生の言葉に励まされ「辛い治療だけど、がんが消滅している可能性があるなら頑張れる」と思えました。

「この副作用を乗り越えた後には、がん消滅の未来が待っているはず」と信じて退院後も辛い副作用はありましたが最後まで乗り切りました。

辛い治療「FEC」の辛さや大変さついてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓

2番目の抗がん剤が辛すぎた!術前抗がん剤を選んでよかった?

術式選択・手術・放射線治療

術前抗がん剤が終わったら、いよいよ乳がんの手術です。
この後は手術を受けるのですが、その前に術式の選択をしなければなりませんでした。

術式、手術。治療終了と進んでいく中、感じた気持ちをお伝えします。

全摘出?それとも温存術?術式の選択

術前抗がん剤が終わり、エコー検査で「がんが消滅している可能性がある」という結果を聞いていた私。この頃は精神的にもかなり落ち着いていました。

そこへ立ちはだかったのが、女性にとって大きな選択肢になる「術式の決定」です。

再発を恐れる私は、全摘出術(乳房全体を切除する術式)を希望していました。しかし主治医からは、温存術(乳房を部分的に切除する術式)を進められ、それぞれのメリット・デメリット比較し検討する時間が続きました。

後悔しない選択がどちらなのか簡単には決められません。不安を払拭するため、主治医に何度も質問をぶつけました。主治医も時間をかけて丁寧な説明してくださいました。

その結果どちらを選んでも、再発率に変わりはないことや全摘出術の場合の後遺症などについても、詳しく教えていただいたため、納得の上で温存術を選択しました。

術式決定までの経緯はこちらで解説しています。↓

楽しい旅が終わり、新たな選択へ:乳がん手術までの道のり

手術までの時間を利用して旅行へ

術式が決まり、手術までの時間を利用して、家族旅行にも行きました。
手術前に伊勢神宮へお参りに行きたいと考え、計画していたのですが、抗がん剤治療を終えていたためとても楽しい時間を過ごすことができました。

中でも、抗がん剤中は控えていたお刺身を久しぶりに口にした時、その美味しさにに感動し「また美味しいものを食べられるんだ」という喜びで思わず涙がこぼれました。

もっといろんな場所に旅行に行きたい、人生を楽しみたい。そのためにも手術を成功させなければと強く思いました。

病気のことを忘れられた3世代の楽しい旅はこちらの記事をご覧ください↓

三重県への旅伊勢神宮:海と温泉と美食の素敵な宿〜術前旅行

乳がん手術〜放射線治療まで

旅行から戻り、いよいよ手術の日がやってきました。

できるだけ前向きに考えようと思っていたのですが、前日なると不安は増しました。「本当にがんは消えてるのか?」そんな私を察してか担当の先生がエコー検査をしてくださいました。

そして「がんはなくなっている可能性が高いですね」と改めて言われ、安心して手術に臨むことができました。

手術は無事成功し、嬉しいことにがんは消滅していたのです。術後も放射線治療が残っていましたが、心の中は手術が成功した、がんが消えた、という安心感でいっぱい。すがすがしい気持ちで放射線治療を受けることができました。

トリプルネガティブ乳がんの再発予防

私のがん細胞は、つらい抗がん剤治療で無事に消えてくれました。

心がボロボロになった告知から1年。「まだ生きられるんだ」「がんに勝った!治療を諦めずに頑張ってよかった!」そう思える未来が待っていました。

ですがまだまだ試練は続きます。トリプルネガティブ乳がんの再発予防についてお話しします。

トリプルネガティブは再発しやすい

それは全ての治療を終えて、再診で病院へ行った時のことです。

主治医から「がんは消えていますが、トリプルネガティブ乳がんは2年〜3年以内の再発が多いタイプです。今後も注意が必要です。」と告げられ、不安な日々が始まりました。

乳がん全体の15から20%がトリプルネガティブ乳がん。治療法が限られていて、基本的には抗がん剤しか使えません。そのため他のタイプの乳がんよりも再発しやすい特徴があるそうです。(10年前の治療法です)

主治医によると、抗がん剤によく反応するタイプの方もいるそうですが、それでも不安は消えません。

「がんとの闘いはまだ終わりじゃない」現実を知った私は、できるだけ再発させないように生活習慣の改善をしました。

がん治療は長丁場。まず3年間を目安に再発予防に取り組むことを決めました。

きゃんばぁばの再発予防

  • 食事の見直し:日本食中心の食事にし、加工食品は控ました。
  • 適度な運動:体調の良い日にはウォーキングをしました。
  • R -1乳酸菌飲料の摂取:就寝前に必ずR-1を飲みました。
  • 十分な睡眠:睡眠時間を増やすようにしました。
  • ストレス軽減:ストレスを溜めない生活を心がけました。

これらを実践した結果、私のトリプルネガティブ乳がんは10年間再発することなく、完治の日を迎えました。
(あくまで私の例であり、これらの取り組みががんの完治に影響しているのかどうかはは分かりません。参考程度に読んでいただれば幸いです)


再発予防の取り組みを頑張っていても、身体のどこかが痛むたびに再発を疑い、不安な日々を過ごすこともありました。それでも3年が過ぎ、10年が過ぎこうして元気に過ごせています。

これからは「完治」の喜びを感じながら。自分らしい毎日を送りたいと思っています。

乳がんと向き合っている方へ

再発予防も含めると、乳がんの治療はとても長い闘いです。

治療中は告知、術式の選択、抗がん剤の副作用、術後の痛み、治療や手術への恐怖など、一喜一憂する日々が待っています。聞きなれない専門用語、見慣れない環境に戸惑うことも少なくありません。

治療や手術を進める中、不安や恐怖を感じたら、遠慮なく主治医や担当看護師さんに相談してみてください。
多くに患者さんをみてきた経験から、最善のアドバイスをしてくださるはずです。

時には専門家の意見も借りながら、できるだけ安心して過ごせる環境を整えましょう。


家族や友人のサポートも大きな力になります。一緒に楽しい時間を過ごしたり、話も聞いてもらいながら経過観察期間を乗り越えてください。

この乳がん体験談も、これから治療に向かう方の不安解消に、少しでも役に立てばという思いで綴っています。

きゃんばぁばのブログを通して、あなたの心が軽くなれば嬉しく思います。

悩まず相談!きゃんばぁば



 


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