術前抗がん剤終了後のこと
辛かった乳がん術前抗がん剤治療が終了し、結果が心配で不安な日々を過ごしていました。
でも主治医から「がんが消滅している。」と聞き治療を頑張ってよかったという思いと、支えてくださった医療チームへの感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。
がん治療中、主治医と乳腺外科チーム、病棟看護師さん薬剤師さん、歯科衛生士さん、事務の方本当に色々な方に支えられ、辛かった治療を乗り越えることができました。
この記事では抗がん剤でがんが消滅した可能性があることを医師から聞いた日のことを綴っています。
皆さんの治療の参考になれば嬉しいです。
ふたつの抗がん剤治療が終わり、結果を聞く日:祈った日
私の乳がん治療は術前抗がん剤とういう治療から始まりました。「パクリタキセル」と「FEC」という抗がん剤を併用してがんを叩くという戦略でした。
約6か月間にわたる抗がん剤治療を終え、その結果を確認する日がやってきました。この日を待ち望んでいたはずなのに前日の夜は『どうかがんが消えていますように」と祈りました。
私の乳がんはトリプルネガティブというタイプで治療薬は抗がん剤しかなく再発率の高いものでした。
抗がん剤でがんが消滅すれば再発リスクが低下し、予後も良好だと主治医から説明を受けていました。
そのためこの治療に命をかけて臨んでいました。
この日の結果が私の人生を大きく変えることになるのです。
検査を受け結果を待つまでに思ったこと
私のがんの状態を確認するためにエコー検査やMRI検査 を行いました。
『FEC』投与中のエコー検査で、がんが消滅しているかもしれないと聞かされていたため、今回の結果を聞くのが楽しみでもありましたが、同時に小さながんが残っている可能性があることに不安を感じていました。
トリプルネガティブ乳がんは抗がん剤でがんが消えないと 他のタイプの乳がんより予後が悪いことを知っていたからです。
治療を始める前に自分と約束をしました。それは「この1年治療に向けて後悔しないように、どんなことも頑張ること」 それで結果が悪くても自分自身が納得できると思ったのです。
辛い夜もこの約束を思い出して乗り越えることができました。そんなことを思い出しながら、検査の結果を待ちました。
ため息ばかりが出た待合室での時間…大丈夫と自分に言い聞かせた時間
効いた抗がん剤たち、パクリタキセルと『FEC』
検査を終え待合室で待つ間、告知を受け泣いた日や、抗がん剤が辛くて投げ出そうとした日のことが頭をよぎりました。「これだけ頑張ったんだから大丈夫」と自分に言い聞かせていました。
この日は待ち時間を長く感じました。番号が表示され、いよいよ診察室に入る時が来ました。もう心臓が止まりそうなくらいドキドキしていました。
ドアを開けるとM先生が満面の笑みを浮かべていたので、「もしかしたらがんが消えた?」と感じました。恐る恐る椅子に座り、先生の言葉を待ちました。
診察室での先生の笑顔
「がんは消えています」というまるで神様のような先生の言葉が聞こえてきました。私は、身体から力が抜けて今にも倒れそうになりました。
先生は「がんが消滅していても手術はします。それは今の標準治療だからね」と説明してくださいました。
「近い未来、がんが消滅した患者さんが手術を必要としない日が来ますよ」とM先生はおっしゃっていました。
もしかしたらもうそんな時代はすぐそこまで来ているかもしれないですね。
今考えてもM先生は本当に素晴らしい方だと思います。主治医に出会えたから今の私がいるのだと、感謝の気持ちでいっぱいです。
なぜかこの日は不思議と涙は出なくて、でも笑顔にもなれず「ありがとう」と全ての人に伝えたいような感覚に包まれていました。
今ここでもう一度、がんを発見してくださったTクリニックの先生、S病院の先生、そしてセカンドオピニオンで出会えたK病院のM先生、T.Y先生、乳腺外科の先生方、看護師さんたち、スタッフの方々そして家族、全ての人に「ありがとうございました」と伝えたいです。
*抗がん剤は完治を目指して投与するだけではなく、がんとの共存を目指すためにも使用されることがあります。
M先生が神様のように思えたよ!きゃんばぁば