乳がんは完治しましたが治療費の総額は128万円かかりました!
2013年6月に乳がんが見つかってから、私は10年間に渡たる闘病生活を送りました。
今、こうして「完治しました」と言える日が来たことに、自分でも驚いています。振り返ってみると時間が経つのはあっという間だったようにも思えますが…。

当時は本当に辛くて「こんな風に気持ちを文章にできる日がくるなんて…」想像もできませんでした。
今回は、そんな私の体験から、乳がんを完治するまでにかかったお金のお話をしていこうと思います。
「抗がん剤治療って高いんでしょ」とよく聞きますよね。「高そう」と思っても実際いくらかかるのかを知っている人は少ないかもしれません。
私の場合、治療を始めてから1年でかかった費用の総額は、なんと128万円でした。
そのうち抗がん剤を含んだ治療にかかった費用は91万円。

それ以降の9年間は年に一度の検査と診察のみとなりました。
治療はすでに終了していたため、この期間の費用は保険診療ではありましたが、全て自己負担で支払っていました。
この9年間は、年に一度の検査と診察のみで1回あたりの費用は8000円ほどでした。9年での自己負担は合計で72000円となりました。
乳がんになって抗がん剤治療を選ぶ場合は、あらかじめ知っておいてほしいなと思います。
ではここから実際にかかった費用の内訳を、できるだけわかりやすお伝していきますね。
費用の内訳❶治療費(抗がん剤含む)
合計金額326000円(保険適応3割負担の場合)
項目 | 内容 | 金額の目安 |
抗がん剤治療 | 1回あたり1万円×12回 | 12万円 |
放射線治療 | 1回あたり5000円×25回 | 12万5000円 |
検査費用 | 血液検査、マンモグラフィー、CT、MRIなど | 1万〜3万円 (頻度による) |
外来診療費 | 診察料・処方箋料など(12回分) | 1回あたり約1,000〜3,000円 |
処方箋(副作用対策) | 吐き気止め・痛み止めなど 抗がん剤の副作用対策薬 | 月5000千円×3ヶ月=15000円 |
治療や通院頻度、病院によって、費用は異なります。
費用の内訳❷入院費:(保険適応・3割負担)
合計金額585000円(差し引きベッド代含む)
治療内容 | 回数・入院形態 | 内容の補足 | 金額の目安 |
センチネルリンパ生検 | 1回 (1日入院) |
リンパ節への転移確認 (全身麻酔あり) |
約7万円 |
パクリタキセル治療 | 1回 (1日入院) |
抗がん剤 (タキサン系) 点滴投与 |
約3万円 |
FEC(抗がん剤) | 全4回 (名回ごと入院) |
代表的な抗がん剤治療 (3剤併用) |
約5万×4回 (約20万) |
手術(温存術) | 1回 (5日入院) |
麻酔・術前検査・管理費 含む |
15万円 |
差し引きベッド代
(保険適応外) |
準個室 (27日間) |
1日あたり5000円 | 5000円×27日
13万5000円 |
入院費は手術や抗がん剤だけでなく「1日ごとの入院管理費」や「ベッド代」などの積み重ねで意外と高額になりがちです。
特に差額ベッド代(個室・準個室など)は保険適用外なので、事前に確認・検討しておくと安心です。
費用の内訳❸その他の諸経費
治療以外にかかったお金(約37万円)
項目 | 内容 | 金額の目安 |
交通費 | 通院時の電車・タクシー代など(往復) | 1回1000円〜 /回×16= 約1万6000円 |
医療用ウィッグ | 抗がん剤治療に伴う脱毛への対策 | 150000円 (私の場合) |
入院グッズ | 前あきパジャマ・柔らかい素材の服など | 約30000円 |
食事・栄養サポート品 | 食べやすい食品、栄養補助食品など | 月5000円×10ヶ月= 約5万円 |
本・動画配信など | 不安を和らげるために利用した娯楽・情報 | 月3000円×10ヶ月= 約3万円 |
ケア用品 | 保湿クリーム、口腔ケア用品、爪の保護用品など | 5000円〜10000円× 複数月=5万〜10万 |
このほかにも、細かい出費がたくさんありました。
乳がんの治療は長期にわたることが多く、その分、必要な支出も少しずつ積み重なっていきます。
仕事ができなくなり収入が減った上に、治療費だけじゃなく、それ以外の出費がかさんで本当に不安になりました。

幸い私は保険に入っていたことで、治療費も生活の出費も、大きく助けられました

乳がんになって治療が始まったとき保険に入っていてよかったと思いました
検査や治療費、そしてそれ以外の出費も重なり、治療中は経済的な負担を感じることがたくさんありました。
でも、がん保険・医療保険そして日頃からの貯金のおかげで、金銭的な負担を大きく減らすことができたんです。
そのおかげで、治療に集中することができ、トリプルネガティブ乳がんを完治することができました。

もしもの時に備えて、保険に入っていて良かったと実感しています。
知っておきたい治療費の負担を減らす公的制度とは?

乳がんの治療って、思っていた以上にいろいろな費用がかかりますよね。
でも、公的な制度をうまく使えば、経済的は不安をグッと軽くすることができます。
私が知っていて良かったと思えた、代表的な制度をご紹介します。
高額医療費制度 | 一定額を超えた医療費を補助してもらえます。 |
傷病手当金 | 治療のために仕事を休み、給与が受け取れない期間に収入の一部を保障してくれる制度です |
障害年金 | 治療や後遺症によって、日常生活に支障があった時一定の条件を満たせば年金として支給されます。 |
医療費控除 | 1年間に支払った医療費が一定額を超えると、確定申告で税金が戻る制度です。 |
こうした制度は、申請しなければ利用できません。

でも「どうやって申請すればいいの?」「私は対象になるの?」と不安になりますよね。
そんなとき頼りになるのが、病院のソーシャルワーカーさんです。
治療費や制度の手続きについて、相談に乗ってくれます。ひとりで抱え込まず相談してみて下さいね。

ソーシャルワーカーさんに相談
治療に専念するために私が助けられたお金の備え
がんは、早期に見つかって、適切な治療を受けられれば、うまく付き合いながら生活していける時代になってきました。

それでも、やっぱり治療に専念するには、お金の不安がないことが本当に大切なんだな…と私は実感しました。
私自身、がん保険と医療保険に入っていたおかげで、治療にお金の心配がグッと減り、安心して治療に集中することができました。
今は、「2人に1人ががんになる時代」と言われています。がん治療は長く続くことも多くて、治療費が高額になるケースも少なくないです。
体調によっては仕事を減らさざるを得ず、収入が減ることで生活への不安を感じることもあります
最近では、がん診断と診断された後に、保険料が免除されるタイプの保険商品や治療費だけでなく、収入減にも備えられる保険商品なども保険内容がどんどん進化しています。
28話へ続く…。
第28話はこちらから↓

お金は大事!きゃんばぁば