はじめに まさか妹が…異変に気づいたあの日

2024年1月初旬、いつものように妹(Tちゃん)にLINEを送りました。でもその返信にほんのわずかな異変を覚えたんです。
「風邪でも引いて体調でも崩したのかな?」とその時は、そう軽く考えていました。
まさか、あんなことになるなんて想像もしていなかったんです。
あとから妹から聞いた話では、膵がんと診断される半年前から、胃腸の調子が悪く、近くのクリニックを受診していたそうです。
その時の診断は「胃腸炎」。
「たいしたことないくてよかった」と妹も安心していたようです。
今振り返ると、あの時クリニックの先生が「念の為エコー検査をしましょう」と言ってくれていたら…

何度も不調を伝えたのに診断は「胃腸炎」

そう考えると悔しくてどうしようもない気持ちになります。
初期症状、見逃してはいけない膵がんのサイン

妹のTちゃんは、緊急搬送される半年前から、「ときどき、胃腸の調子が悪いんよ」と話していました。
その症状は、よくなったり悪くなったり繰り返していたようです。
- 急に高熱が出ることがある
- 吐き気などムカムカするような不快感が続く
近くのクリニックで「胃腸炎」と診断されていたので、まさか「膵がん」だとは思わなかったと聞きました。
今振り返ると、全体的にむくみが出ていたようにも感じます。
当時は深刻に考えていませんでしたが、こうした小さな体調の変化が、実は病気のサインだったかも知れません。

体調が悪い日が何度かあったそうです
膵がんの代表的な初期症状6つ
膵がんの初期症状 | |
上腹部や背中の痛み | みぞおちや背中のあたりに鈍い痛みが出ることがあります。特に、食後や夜間に悪化することが特徴です。 |
食欲不振・体重減少 | 食欲がなくなり、特に理由もなく体重が減少することがあります。 |
黄疸 (おうだん) |
皮膚や白目が黄色くなる症状です。膵頭部にがんができると、胆管を圧迫し、胆汁がうまく排出されなくなるために起こります。 |
便や尿の変化 | 便が白っぽくなったり、油っぽくなる(脂肪便)ことがあります。また、尿が濃い色になることもあります。 |
消化不良・膨満感(ぼうまんかん) | 食後に胃が張る感じがしたり、消化が悪くなることがあります。 |
糖尿病の悪化・突然の発症 | もともと糖尿病の人が急に悪化したり、特に肥満や生活習慣に問題がないのに糖尿病を発症する場合、膵がんが関与していることがあります。 |
病院での受診。何科を受診?どんな検査するの?
膵がんが疑われる場合の適切な診療と流れ
まず受診するかは「消化器内科」または」「消化器外科」です。病院によっては「肝胆膵(かんたんすい)内科や「すい臓外科」という専門の診療科がある場合もあります。
かかりつけ医 (胃腸科) |
まずは近くのクリニックや病院で相談し、必要に応じて専門の病院を紹介してもらう。 |
消化器内科 (専門病院) |
膵臓の異常が疑われる場合、CTやMRIなどの精密検査を受けられる。 |
消化器外科 (がん専門) |
すでに膵がんの疑いが強い場合、治療方針の相談や手術の可能性を検討する。 |
妹が受けた最初の検査
緊急搬送先の病院で、妹が最初に受けた検査は
- CT検査
- 超音波検査
- 血液検査
妹は最初の病院で「十二指腸にがんがある」と診断されました。でもその病院で治療が難しく、治療が可能な病院を探してもらい転院して入院することになりました。
この時。妹は「腸閉塞」も診断もされていて、転院先の病院では「十二指腸がん」と診断を受けました。
その後、詳しい検査と治療をするために、国際がんセンターに転院して治療を受けることになりました。
そして「膵がんステージ4」であることがわかりました。

沢山の検査で膵がんと診断されました
膵臓がんとは?知っておきたい基礎知識
膵臓の役割
- すい臓は、お腹の奥にある細長い臓器です(約15cm)
- 食べ物の消化と血糖値のコントロールという二つの重要な役割を持っています。

すい臓の形と位置
膵臓がんの種類
膵がんの種類 | |
膵管がん (約90%) |
膵臓の「膵管」という部分にできる悪性腫瘍。進行が速く、転移しやすい。 |
神経内分泌腫瘍(NET) | 比較的進行が遅いことが多いが、悪性のものもある。 |
嚢胞性腫瘍 (のうほうせいしゅよう) |
液体がたまった袋(のう胞)ができる。良性の場合もあるが、がん化することもある。 |

私は妹が膵がんと診断されたとき、私は必死で情報を集めました。
なんとか助けたい、その一心でした。。
でも、調べれば調べるほど「膵臓がん」という病気の恐ろしさを思い知らされました。
たとえステージが低くても、助かる確率がとても低い…。
それが「膵がん」という病気なのだと痛感しました。
ステージ | 5年生存率(治療開始から5年後の生存率) |
---|
ステージⅠ(1期) | 約20~40% |
ステージⅡ(2期) | 約10~30% |
ステージⅢ(3期) | 約5~15% |
ステージⅣ(4期) | 約1~5% |
膵がんは発見が難しく、多くの人がステージⅢ~Ⅳで診断されることが多いので、全体の5年生存率は10%前後と言われています。
診断後の家族:心の葛藤そして向き合い方
今はがん患者本人に病気を告知する時代です。そのため、妹も主治医から病名とステージを知らされました。

私も乳がんを経験したので、妹の気持ちを少しは理解できるつもりです。
でも「治療法がない」と言われた時の気持ちを想像すると、涙が出るほど辛くなります。
「一人でどれほど泣いたんだろう」
「なんで私が…と何回思ったんだろう」そう考えるだけで胸が締め付けられる気持ちです。
家族としては、少しでも助かる道はないかと、がんと共存する形でもいいからと希望を探し続ける日々が続きました。
もし、あなたや大切な人が、膵癌と診断されたなら、まずは、主治医から納得のいく説明を受けて下さい。

そして、一人で悩まずに家族や大切な人と共に生きる道を選んでください。
終わりに:早期発見のために私たちができること
早期発見のためにできること
- 健康診断で膵臓の状態をチェック(特に家族歴がある人)
- 糖尿病が急に悪化した場合は膵臓の検査を受ける
- 原因不明の体重減少や背中の痛みが続く場合は病院を受診する
- 超音波・CT・MRIなどの画像検査を適切に受ける
私は妹をたった1年で亡くしました。本当に悔しいです!
今、膵癌と闘っている皆さんも、ご家族の皆さんも希望は捨てないで必ず専門医のいる病院で治療をして下さい。
もしかしたら良い治療を提案してくれる主治医に出会えるかも知れません。
膵がんの患者会や、家族を支援する会はいくつかありますのでご紹介します。
注意)本記事は個人が家族のために調べた内容です。検査や治療に関することは必ず主治医とご相談してください。

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