夫の抗がん剤が効いているかどうかは、日々の食事の様子から見えてきます。
というのも、がんが食道を塞いでいて、しっかり噛んで飲み込まないと詰まってしまうから、うまく食べれるかどうかは、がんの状態を知るためのサインなんです。

喉のとおりはどうかな?
どのくらいの大きさのものが食べれるか?
どれくらいの時間で食べ切れるか?
喉の通りはどうか?
そうした小さな変化を、毎回見逃さないようにしていました。

今日は、どれくらいの時間で食べ切れるかな?
夫が食事をするとき、私はさりげなく時間を測ったり、口に運ぶペースを見守ったり、
「大丈夫かな?」「少しはよくなってきているかな?」と心の中でそっと問いかけながら。
退院後、私が一番気をつけていたのは「食事」と「腸内環境」のサポートでした。

腸内環境、免疫、食事とスマホで調べながら、買い物をしたりしました。
免疫療法の効果を高めるために、腸内環境が大切だと知っていたから、毎日の食事を見直しました。
少しでも夫の体が良くなるように、できることはやってあげたかったんです。

冷蔵庫の中には、私なりの「応援」を詰め込んでいます。
ヤクルト1000やヨーグルトで腸内に善玉菌を。
果物を毎日取り入れて、食物繊維やビタミンをしっかり。
タンパク質は筋力を落とさないよう意識していました。

小さな習慣が、免疫力を上げると信じています。
ビタミンDには、免疫の働きを調整して、感染や炎症を防ぐ力があると言われています。
日光を浴びたり、ビタミンDを含む食品をとることで、体の内側から治療を支えることができると信じて、日々の生活に取り入れています。
どんなに忙しくても「食べることで治療を後押ししたい」という気持ちで、できる限りの工夫を重ねました。

だから、薬の力を最大限に引き出すために「一緒にできることな何もやろう」と心に決めていました。
その努力が少しずつ身を結び、10日目には夫の体調はグッと良くなり、表情もやわらかく穏やかに。
その姿を見て私は心から思いました。「食べることは生きること」
この10日間で、それを改めて強く感じました。

次のお話は、CT検査の結果と3回目抗がん剤治療について