【第20話】乳がん手術後の体と髪の変化|放射線治療までの過ごし方とヘアケア

乳がん体験記
※この記事は、私自身の乳がん治療中の体験をもとに書いています。
手術後の痛みや回復の早さ、髪の生え方、放射線治療までの過ごし方には個人差があります。
不安な症状がある場合は、自己判断せず、必ず主治医や医療者に相談してください。

乳がんの手術が終わったとき、私は大きな山をひとつ越えたような気持ちになりました。

抗がん剤治療、そして手術。 「ここまで来られたんだ」と、ホッとした気持ちもありました。

けれど、手術が終わったからといって、体がすぐ元通りになるわけではありませんでした。

  • 傷口の違和感や、胸のつっぱる感じ
  • 少し動いただけで疲れてしまう体
  • 抗がん剤治療の後に、少しずつ生えてきた髪の変化

治療がひと区切りしたはずなのに、まだ治療の途中にいるような、なんとも言えない焦りと戸惑いがありました。

今回は、私が乳がん手術後から放射線治療が始まるまでの間に感じた、「体と髪の変化」について書いていきます。

同じように、手術後の痛みや髪の変化、体力の回復に不安を感じている方に、少しでも「ひとりじゃないんだ」と安心していただけたらうれしいです。

手術後の傷口|私が感じたピリピリ、ズキズキ、つっぱる感じ

私は2013年に乳房温存手術を受けました。

手術後、強い痛みで動けないというほどではありませんでしたが、傷口のあたりにピリピリする痛みや、ズキズキするような違和感が続きました。

特に気になったのは、胸のつっぱる感じです。 腕を動かしたときや、着替えるときなど、ふとした動作で「あ、まだ傷が治っている途中なんだな」と実感させられました。

手術が終わると、気持ちのどこかで「早く元気にならなくては」と焦ってしまいがちです。

でも実際には、体は本当に少しずつ、一歩一歩しか回復していかないのだとこの時期に学びました。

私の場合、ズキズキする痛みは少しずつ軽くなっていきましたが、つっぱる感じや違和感はしばらく残りました。

痛みの感じ方や回復の経過には個人差があります。
また、手術方法や術後のケアは、時代や医療機関によっても異なると思います。
痛みが強くなる、赤みや腫れがある、熱をもつ、長く続いて不安な場合は、我慢せず主治医や看護師さんに相談してください。

下着の悩み|私が助けられたのはブラトップでした

手術後、意外と切実に悩んだのが「下着(ブラジャー)」選びでした。

「普通のブラジャーだと、傷口に当たって痛いのではないか」
「締めつけが体に良くないのではないか」

何を着ればいいのか分からず、私はとても神経質になっていました。

そこで、診察のときに思い切って主治医へ相談してみたのです。

すると、先生から「ブラトップを使ったほうがいいですよ」とアドバイスをもらいました。

それ以来、私はブラトップを愛用するようになりました。

締めつけが少なく、傷口への刺激も優しく感じられて、当時の私にはとても合っていました。

もちろん、手術の方法や傷の場所によって合う下着は人それぞれです。

でも、我慢して痛い下着をつけ続けるより、医療者に相談しながら「今の自分の体に合うもの」を妥協せず探すことは、心の安定にもつながる大切なプロセスだと思います。

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抗がん剤後の髪|生えてきたのは、予想外の「くるくる髪」でした

抗がん剤治療が終わったあと、私は髪が生えてくるのを心待ちにしていました。

脱毛していた時期は、鏡を見るたびに「私は治療中なんだ」と突きつけられているようだったからです。だから、少しでも産毛が生えてきたときは本当にうれしかったです。

でも、ようやく生え揃ってきた自分の髪を見て、私は驚き、フリーズしてしまいました。

「えっ、前と全然違う……くるくるしてる……」

以前のストレートヘアとは全く違う、強いくせ毛(縮れ毛)が生えてきたのです。

鏡を見ながら、「このままだったらどうしよう」と大きなショックと戸惑いを感じました。

くるくるのくせ毛が生えてきたよ

後から知ったのですが、抗がん剤後に生えてくる髪は、一時的に髪質が変わることがあります。くせ毛のようになったり、細くなったり、白髪が増えたように見えたり。

私の場合は、このくるくるの髪質が落ち着き、元の髪質に近い状態に戻るまでに約2年かかりました。

今振り返ると、あのくるくるの髪も、「私の体が、一生懸命に回復しようと頑張っている途中の姿」だったのだと愛おしく思えます。

すぐに元通りにならなくても、体には少しずつ戻っていく力が備わっています。

焦らなくて大丈夫です。

生え始めの髪と頭皮|ウィッグに「気持ち」を守ってもらいました

髪が少しずつ生えてきても、すぐに地毛で外出できるわけではありません。 生え始めの髪はまだ短く、頭皮もとてもデリケートで敏感でした。

そのため、日々のヘアケアにはとても気を使いました。

  • 洗髪: ゴシゴシ洗わず、シャンプーを泡立てて指の腹でやさしく洗う
  • 乾燥: タオルでこすらずにそっと押さえ、ドライヤーの熱が直接頭皮に当たりすぎないようにする
  • マッサージ: 自己判断で始めず、デリケートな時期を過ぎてから(私の場合は美容室で相談してから)おこなう

この時期は、「髪が生えてきて嬉しい」という気持ちと、「まだ人前に出るには恥ずかしい・不安」という気持ちが、いつも天秤にのっていました。

そんな私の心を救ってくれたのが、ウィッグでした。

外出するときにウィッグをつけると、スッと気持ちが整いました。

「治療中だと周りに気づかれるかな」「人からどう見られているだろう」という尽きない不安を、ウィッグが優しくやわらげてくれたのです。

私にとってウィッグは、単に「抜けた髪を隠すための道具」ではありませんでした。外に出る勇気をくれて、人と会うときの不安を軽くしてくれる、私の「気持ち」を守るための大切な相棒でした。

ちなみに、ウィッグの内側に肌触りのよい「インナーキャップ」を1枚挟むと、チクチク感が劇的に減って過ごしやすくなるのでおすすめです。

生え始めの髪や頭皮はとてもデリケートです。かゆみや赤み、痛みなどがある場合は、無理にケアを続けず、主治医や皮膚科の医師に相談してください
脱毛した女性の写真

くるくるのくせ毛が生えてきたよ

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放射線治療までの期間|体を休めながら、次の治療に備えました

手術が終わったあと、次に待っていたのは放射線治療でした。

乳房温存手術を受けた私にとって、手術後に続く大切なステップでした。

ただ、手術という大きなイベントを終えたからといって、すぐに体力が戻るわけではありませんでした。

少し動いただけでドッと疲れたり、普段なら何でもない家事が、しんどく感じられることもありました。

頭では「早く元の生活に戻らなきゃ!」と焦るのに、体がついてこないのです。

この時期の私は、とにかく「無理に頑張りすぎないこと」を自分に許しました。

  • 疲れたらすぐに横になる
  • しんどい日は休む。
  • 少し歩けそうな日は、無理のない範囲で体を動かす。

そんなふうに、少しずつ日常に戻っていきました。

今振り返ると、放射線治療が始まるまでのこの「待ち時間」は、決して無駄な時間ではありませんでした。

すぐに元の自分に戻れなくても大丈夫。

体はちゃんと、自分のペースで回復してくれています。そう自分に言い言い聞かせながら、私は次の放射線治療の初日を迎えました。

手術後の体と髪の変化を振り返って|焦らなくても大丈夫

手術が終わった瞬間は「これでひとつ大きな山を越えた」と思いました。

でも実際には、そこから体も心も、すぐに元通りになるわけではありませんでした。

  • 傷口のピリピリした痛みやつっぱる感じ
  • 少し動いただけで疲れてしまう体
  • 予想外だった、くるくるの髪

ひとつひとつは小さな変化かもしれません。

でも、そのたびに私は「本当に元に戻るのかな」「私、大丈夫なのかな」と、不安を感じることがありました。

今同じ道にいる方に伝えたいです。

すぐに元気になれなくても大丈夫。
髪が思うようなスピードで戻らなくても大丈夫。
疲れやすくて、動けない日があっても大丈夫。

私自身も、時間をかけながら、少しずつ日常を取り戻していきました。

もちろん、痛みや違和感が強いとき、不安な症状があるときは、我慢せず主治医や看護師さんに相談して下さい。

でも、焦って「早く元の自分に戻らなきゃ」と自分を追い詰める必要はありません。

手術後の体も、抗がん剤後の髪も、自分のペースで少しずつ変わっていくことがあります。

「今は大切な回復の途中なんだな」と、この記事を読んでくださった方が、少しでもホッと肩の力を抜けたらうれしいです。

👉 続きの第21話「放射線治療の体験記」はこちらから


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この記事を書いた人

きゃんばぁば|乳がんサバイバー/家族の闘病サポーター

乳がんを経験し、経過観察を経てひとつの区切りを迎えました。

その後、妹の膵がん、夫の食道がんを家族として支えてきた経験をもとに、患者と家族の視点で記事を書いています。

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