乳がんの手術が終わったとき、私は大きな山をひとつ越えたような気持ちになりました。
抗がん剤治療、そして手術。 「ここまで来られたんだ」と、ホッとした気持ちもありました。
けれど、手術が終わったからといって、体がすぐ元通りになるわけではありませんでした。
- 傷口の違和感や、胸のつっぱる感じ
- 少し動いただけで疲れてしまう体
- 抗がん剤治療の後に、少しずつ生えてきた髪の変化
治療がひと区切りしたはずなのに、まだ治療の途中にいるような、なんとも言えない焦りと戸惑いがありました。
今回は、私が乳がん手術後から放射線治療が始まるまでの間に感じた、「体と髪の変化」について書いていきます。
同じように、手術後の痛みや髪の変化、体力の回復に不安を感じている方に、少しでも「ひとりじゃないんだ」と安心していただけたらうれしいです。
手術後の傷口|私が感じたピリピリ、ズキズキ、つっぱる感じ
私は2013年に乳房温存手術を受けました。
手術後、強い痛みで動けないというほどではありませんでしたが、傷口のあたりにピリピリする痛みや、ズキズキするような違和感が続きました。
特に気になったのは、胸のつっぱる感じです。 腕を動かしたときや、着替えるときなど、ふとした動作で「あ、まだ傷が治っている途中なんだな」と実感させられました。
手術が終わると、気持ちのどこかで「早く元気にならなくては」と焦ってしまいがちです。
でも実際には、体は本当に少しずつ、一歩一歩しか回復していかないのだとこの時期に学びました。
私の場合、ズキズキする痛みは少しずつ軽くなっていきましたが、つっぱる感じや違和感はしばらく残りました。
痛みの感じ方や回復の経過には個人差があります。
また、手術方法や術後のケアは、時代や医療機関によっても異なると思います。
痛みが強くなる、赤みや腫れがある、熱をもつ、長く続いて不安な場合は、我慢せず主治医や看護師さんに相談してください。
下着の悩み|私が助けられたのはブラトップでした
手術後、意外と切実に悩んだのが「下着(ブラジャー)」選びでした。
「普通のブラジャーだと、傷口に当たって痛いのではないか」
「締めつけが体に良くないのではないか」
何を着ればいいのか分からず、私はとても神経質になっていました。
そこで、診察のときに思い切って主治医へ相談してみたのです。
すると、先生から「ブラトップを使ったほうがいいですよ」とアドバイスをもらいました。
それ以来、私はブラトップを愛用するようになりました。
締めつけが少なく、傷口への刺激も優しく感じられて、当時の私にはとても合っていました。
もちろん、手術の方法や傷の場所によって合う下着は人それぞれです。
でも、我慢して痛い下着をつけ続けるより、医療者に相談しながら「今の自分の体に合うもの」を妥協せず探すことは、心の安定にもつながる大切なプロセスだと思います。
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抗がん剤後の髪|生えてきたのは、予想外の「くるくる髪」でした
抗がん剤治療が終わったあと、私は髪が生えてくるのを心待ちにしていました。
脱毛していた時期は、鏡を見るたびに「私は治療中なんだ」と突きつけられているようだったからです。だから、少しでも産毛が生えてきたときは本当にうれしかったです。
でも、ようやく生え揃ってきた自分の髪を見て、私は驚き、フリーズしてしまいました。
「えっ、前と全然違う……くるくるしてる……」
以前のストレートヘアとは全く違う、強いくせ毛(縮れ毛)が生えてきたのです。
鏡を見ながら、「このままだったらどうしよう」と大きなショックと戸惑いを感じました。
くるくるのくせ毛が生えてきたよ
後から知ったのですが、抗がん剤後に生えてくる髪は、一時的に髪質が変わることがあります。くせ毛のようになったり、細くなったり、白髪が増えたように見えたり。
私の場合は、このくるくるの髪質が落ち着き、元の髪質に近い状態に戻るまでに約2年かかりました。
今振り返ると、あのくるくるの髪も、「私の体が、一生懸命に回復しようと頑張っている途中の姿」だったのだと愛おしく思えます。
すぐに元通りにならなくても、体には少しずつ戻っていく力が備わっています。
焦らなくて大丈夫です。
生え始めの髪と頭皮|ウィッグに「気持ち」を守ってもらいました
髪が少しずつ生えてきても、すぐに地毛で外出できるわけではありません。 生え始めの髪はまだ短く、頭皮もとてもデリケートで敏感でした。
そのため、日々のヘアケアにはとても気を使いました。
- 洗髪: ゴシゴシ洗わず、シャンプーを泡立てて指の腹でやさしく洗う
- 乾燥: タオルでこすらずにそっと押さえ、ドライヤーの熱が直接頭皮に当たりすぎないようにする
- マッサージ: 自己判断で始めず、デリケートな時期を過ぎてから(私の場合は美容室で相談してから)おこなう
この時期は、「髪が生えてきて嬉しい」という気持ちと、「まだ人前に出るには恥ずかしい・不安」という気持ちが、いつも天秤にのっていました。
そんな私の心を救ってくれたのが、ウィッグでした。
外出するときにウィッグをつけると、スッと気持ちが整いました。
「治療中だと周りに気づかれるかな」「人からどう見られているだろう」という尽きない不安を、ウィッグが優しくやわらげてくれたのです。
私にとってウィッグは、単に「抜けた髪を隠すための道具」ではありませんでした。外に出る勇気をくれて、人と会うときの不安を軽くしてくれる、私の「気持ち」を守るための大切な相棒でした。
ちなみに、ウィッグの内側に肌触りのよい「インナーキャップ」を1枚挟むと、チクチク感が劇的に減って過ごしやすくなるのでおすすめです。

くるくるのくせ毛が生えてきたよ
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