【夫の病気編:第8話】手術を楽観視していた夫に良かれと思って伝えた言葉…正直、後悔しています。

夫の病気

消化器外科を受診した日。手術に向けたスケジュールも決まり、翌週には入院して、抗がん剤治療を受ける予定になっていました。

入院受付をする夫婦のイラスト

手術すれば治ると信じている夫。だけど私は不安で胸がいっぱいだった。

でも、夫は食道がんの手術がどれほど大変なものかを知りませんでした。外科の診察室では、手術についての詳しい説明はなかったのです。

病院で会計をする妻のイラスト

私たち二人、ちゃんと理解しないまま進んでる気がする…。

入院前の週末、夫とゆっくり話す時間がありました。

私はどうしても、どのような手術を受けるのか、そのあと生活の質がどう変わるかを、夫に伝えておきたかったのです。

リビングで重要な話をする夫婦のイラスト

食道がんの手術が、どれほど大きなものかを知らなかった夫に、まずはその現実を伝えた上で、手術を受けるかどうかを決めてほしかったのです。

食道がんの手術は、がんのある部分だけじゃなくて、食道全体を取るんだよ。
そして、そのあとに胃や腸を使って新しく「食べ物の通り道」をつくる再建手術が行われるんだって。

そうなると、食事の仕方や食べられる量、飲み込み方も大きく変わってしまうの。
体力が落ちたり、食欲がなくなったり、体重が減ったりすることもあるみたい。

と夫に伝えました。

手術の動画を見て驚く夫と説明をする妻のイラスト

本当は怖がらせたくなかった…。ただどんな手術を受けるのか知っておいて欲しかっただけ…。

それまで「手術すれば大丈夫」と楽観的に考えていた夫に恐怖心を与えてしまいました。

私は、もう何が正解なのかわからなくなり、心が揺れていました。

パソコンで情報を集める夫婦のイラスト

手術の他に治療法がないのか、二人で何度も話し合いました。

そいて翌日「夫は生活の質を落としてまで、生きていたくない」と考えを変え、今回の入院は断ることにしたのです。

その直後、病院から連絡があり「明日外科の診察を受けてください」と伝えられました。

診察室で医師から説明を受ける夫婦のイラスト

外科の先生は、再び時間をつくり、夫の病状や治療法について詳しく説明してくださいました。

私は、そのお話しに納得して手術をお願いしたいと思いましたが、夫の意思は変わらず、外科的手術は望まないと告げました。

リビングでなく妻のイラスト

医療の専門家でもない私が、夫の決断に大きな影響を与えてしまったことを後悔しました。

そんな思いが心を締めつけ、食事も喉を通らなくなりました。

きゃんばぁば
きゃんばぁば

次のお話は化学放射線治療を受けるため診察と、それに向き合う私自身の心の葛藤についてです。

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